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過去にあったこと ページ5

無一郎君との合同任務は今回は三日間。

昨日は多数の雑魚鬼相手だった。

無一郎君と相手するような者じゃなかった。


お館様は無一郎君を見限っているのだろうか。

それとも俺が弱いから無一郎君を当てているのか。


「今日の一つ目は確かこの館だったよね」


如何にもそうだと言わんばかりの雰囲気を醸し出している館。

うじゃうじゃ沸いて出るような小鬼の気配と、2匹くらいの十二鬼月ほどではないが強めの鬼の気配。


「コレは二手に分かれよう」


そう言う無一郎君に頷き走った。


館の中を走り、小鬼を斬っていく。

こんなの、呼吸を使うような相手じゃない。



走っているとふと、音が聞こえた。

琴の音色。


『さくら、、さくら、、やよいのそらは』


歌う声が聞こえるが、琴が弾かれる度に空間が歪み、時折無一郎君が頭上に立っていた事もあった。



無一郎君と隣になった瞬間に無一郎君が俺の手を掴み、引っ張った。



「あいつの血鬼術…?」

「とにかく、まだまだ小鬼はいる。
無一郎君、斬ろう。」


そう言って障子を開けると目が見えないのだろうか、目元に布を巻いた鬼が居た。


「ほう、今回は小僧か。

小娘もいるなぁ……
…生娘では無いようだがな。」


その言葉に俺は鳥肌が立った。


あの記憶が、脳裏で再生される。

肌にもその感覚が思い起される。


「おぇ、、、」


胃がそれを思い出し、拒否反応を起こす。


どろり、ねっとり、ねばねば、ぬるぬる。


匂いなんて、思い出しただけで吐きそうだ。



実の父に向けられたいやらしい目。


母親に向けられた女の嫉妬した目。



きもちわるかった。

ただただ、気持ち悪かった。



何度抵抗しても、抵抗するたびに殴られる。



鬼の頸はいつの間にか切れていた。


俺の後ろで切れていた。


無一郎君が切ったわけではなさそうだ。



俺の刀が紅く濡れていたから。



「ヒュッ、」



息ができない。

息の仕方が分からない。

肩が震える。

寒い。

脚が震えて崩れ落ちるけど、立てない。


すると俺を泣きそうなほど柔らかい暖かさが包んだ。



「A、息を吐いて。
僕に合わせて、」



ふぅぅ、、と息を吐く無一郎君に合わせて拙くも息を吐く。

無意識に吸おうとしてしまう。



「ん、もう少しだけ吐いてみようか」

「ふ、ぅ、、、」



肺にある空気を出し切る。


過呼吸という物になっていたのだろうか。

無一郎君に合わせていたら楽になってきた。


無にしたかった過去なのに。

無一郎の無→←耐えてるんだけど



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作者名:Ro:A | 作成日時:2019年9月23日 3時

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