９２話「毒薬」 ページ12
灰原「はぁ！？ちょ、それどういうこと！？」
思わず大声を出してしまった灰原は､Aがいることを思い出し､ハッと我に返った。
コナン「わ、悪ぃ…お前にはまだ、話してなかったな…」
そう言うと、コナンは公安の協力者になったことを灰原に話した。
灰原「はぁ…、事情はわかったけど、絶対に無茶はしちゃダメよ」
コナン「…わかったよ、…ところで灰原、オメーの正体もAさんに言ったほうがいいんじゃねーか？お前も協力すれば、組織を壊滅させる手掛かりも見つかるかもしれないし」
灰原「…それも､そうね」
と、コナンの言葉に頷くとAの方に向き直った。
灰原「Aさん」
A「？どうしたの､哀ちゃん」
灰原「あなたは、"
A「それってたしか…黒の組織の元メンバーのシェリーが開発した毒薬…だよね？」
すると、Aはハッとし､目を見開いた。
A「…って、なんで君がその薬を知ってるの…？」
Aは灰原に少し警戒気味にきいた。
灰原「…私がその薬を作った本人だからよ」
灰原はそう言うと、視線を下に逸らした。
そして、ポツポツと語りだした。
灰原「私の本当の名前は…"宮野志保"。黒の組織の元メンバーで、あの毒薬を開発した本人よ…、こんな姿になってるのは…工藤君と同じでAPTX4869を飲んだから…」
A「…えっと…、志保､ちゃんはなんでその薬を飲んだの…？」
灰原「私は…組織に姉を殺され、組織を裏切ったの。そして､組織に殺されるくらいなら…と思って試作段階だったAPTX4869を飲んで死のうとしたのだけれど…」
灰原「なぜか体が幼児化してしまったの…」
A「…そんなことがあったんだ…」
そう言うとAは、俯いてしまった灰原の頭に「ポンッ」と手をのせ頭を優しく撫でた。
灰原「…っ」
灰原は思わず泣きそうになったが、二人に心配をかけないためにグッと堪えた。
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作者名：グレイ | 作成日時：2019年1月26日 19時
