第39話 女性の憧れ ページ41
「姫様。ご機嫌ですね」
「よく気づきましたね。A」
「主の些細な事に気づけないなら、その時点で護衛失格。リムル様不在時は、あなたを護る事が、あたしの務めですから」
「……」
質問に答えただけなのに、沈黙した姫様に対して首を
「姫様?」
「…嗚呼。貴女の格好良さに、少しばかり
「姫様にそう言って頂けるとは、光栄です」
照れくささを隠せずにへらりと笑えば、彼女に優しく頭を撫でられる。そうされるのは随分久し振りだったため、涙腺が緩みかけた。
この
だが、そう思っていても、決して口にしてはならないと判っている。
「貴女のおかげで、題材が決まりました」
半年に一回開催される女子会の題材を決めるのは、大半が姫様だ。
種族を越えた世間話や恋愛話が交わされ、酒が回り、
「皆様。今回の題材は、『女性の憧れ』です。という訳で、男性役をAさんにやってもらいます」
「はい。任されましょう」
ミリム様の一件から男役を任される機会が極端に増えたが、正直複雑な気持ちだ。
「イングラシア王国へ
解説中に書かれている項目を頭に叩きこみ、台所の裏できつくサラシを巻き直し、布をスーツの上着に仕舞い、普段より低い声と男性の振る舞いを意識して実践に移行する。
まず、進行役のソーカに実行する。背後から抱き締め、耳元でささやくだけでは面白くないので、スキルでわざと兄の声真似をした。
「ソーカ。その焼き菓子を取ってくれないか?」
「は、はいっ。どうぞ…」
一口大に切られたつまみを手に取るが、自らの手で取りはしない。
「何をしている。俺は両手が塞がっているんだぞ?」
「へ? あ……」
《食べさせろ》
ソーカ自身は声真似と脳内に直接響く思念伝達の効果も相まって、耳まで真っ赤になっただけでなく、声が上擦り、全身が小刻みに震えていた。
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竜胆(プロフ) - 200回の投票を頂き、ありがとうございます。 (2023年3月8日 19時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、再び400人に到達! ありがとうございます。更新できるように頑張ります。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 瑠亜@影月さん» 瑠亜@影月さん、コメントと応援ありがとうございます。心変わりしてしまうほどとは(笑)もう話が一杯になったので、ただいま続編に向けて考案中です。更新できるよう頑張ります! (2019年5月13日 1時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠亜@影月 - 私はソウエイが推しキャラだったんですが、若様に心変わりしてしまいそうです(笑)これも竜胆さんの文才の力ですね!これからも更新頑張ってください! (2019年5月12日 21時) (レス) id: 9b9cc1c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 紫癸さん» 紫癸さん、コメントと応援ありがとうございます。お褒めの言葉も重ねて感謝します。ただいまコミック版最新話の展開を待機している状態なので、もうしばらくお待ち下さい。必ず更新します。 (2019年4月11日 22時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜胆 | 作成日時:2018年12月1日 1時