第32話 議論 ページ34
「何あの殺気…。超怖かった……」
「申し訳ありません。リムル様」
Aが離れから出た後に、リムル様の一声とソウエイの謝罪が短く響く。
「実兄に対しても殺気と怒気を出すくらいだから、話題にすらされたくないんだろうな」
「リムル様が定められた
「え゛っ!? いやいや。いくらなんでも
そこで不意に、リムル様が言葉を切られた。
「Aがこの世界で再会したのは、ツムギさんの先祖の母と弟。叔父。普通に考えると、残る血縁者は父親。……もしかして、ソウエイだからあれだけで済んだのか? なぁ、ベニマル。Aは、俺が不在中に他に何を言っていた?」
「……ああ。それなら――」
2個目のシュークリームを
「『きっちり片をつける』と言っていました。恐らく、その父はツムギさんに暴力を振るい、人を見下し、高圧的な態度を示していたんでしょう」
指先につけたクリームを舐めている間、リムル様と飲み仲間の男性陣から、生暖かい視線を向けられている事に気づいた。
どうやら、俺は自ら墓穴を掘ったらしい。
「なんで、男の性格まで知ってるんだ?」
「先日、Aが、仮に交際する男性の条件を挙げたんです。正反対の表現でしたが」
「へぇ。その条件を聞いて、ベニマルはどう思った? 男の感想は、この際抜きにする」
「は?」
質問に答えなければならない雰囲気になり、圧力に屈して思いを口にする。
今、赤面しているのを自覚しているが知るか。もうどうにでもなれ。
「Aに見合う男になる以前に、何があっても、父親の子孫の魔の手から絶対に守ると決意しましたよ」
言い終わった直後に、離れの外にいる通行人にまで届きそうな大きな歓声があがる。
「よく言われましたな、若。あとは綿密に作戦を立て、時機を見極め、実行に移すだけですぞ」
そこで、リムル様が助け船を出された。
「よし。それは俺に任せておけ。酒をいくつか用意しよう。でも、口説き方は自分で考えろよ? 侍大将」
「あ、ありがとうございます。リムル様」
こうして、通常業務の傍ら、酒に関する知識を学ぶ事が決定した。
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竜胆(プロフ) - 200回の投票を頂き、ありがとうございます。 (2023年3月8日 19時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、再び400人に到達! ありがとうございます。更新できるように頑張ります。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 瑠亜@影月さん» 瑠亜@影月さん、コメントと応援ありがとうございます。心変わりしてしまうほどとは(笑)もう話が一杯になったので、ただいま続編に向けて考案中です。更新できるよう頑張ります! (2019年5月13日 1時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠亜@影月 - 私はソウエイが推しキャラだったんですが、若様に心変わりしてしまいそうです(笑)これも竜胆さんの文才の力ですね!これからも更新頑張ってください! (2019年5月12日 21時) (レス) id: 9b9cc1c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 紫癸さん» 紫癸さん、コメントと応援ありがとうございます。お褒めの言葉も重ねて感謝します。ただいまコミック版最新話の展開を待機している状態なので、もうしばらくお待ち下さい。必ず更新します。 (2019年4月11日 22時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜胆 | 作成日時:2018年12月1日 1時