検索窓
今日:5 hit、昨日:70 hit、合計:370,249 hit

第1話 兄妹 ページ3

「……」

 水瓶の中に入っている透き通った綺麗な水に、幼女から少女に成長した自分の姿を映した上で、容姿を確認する。

「なるほど」
「何に納得してるんだ?」

 木漏れ日の下。子供の足で数十歩離れた距離に、3ヵ月先に生まれ、褐色の肌を持つ従兄(いとこ)の蒼鬼がいる。私の家系は大怪我の状態で転移した人間・湊紬の子孫で、私と蒼鬼で玄孫(やしゃご)になる。

「洗顔ついでに、自分の身だしなみを確認していたんだ」
「そうか。お前の父が呼んでるぞ」
「ありがとう。行ってくる」


 大鬼族(オーガ)を率いる族長の邸宅に、人生で初めて足を踏み入れる。事の子細(しさい)は長くなるから(はぶ)くが、燃えるような赤髪を持つ若様と、(しゅ)色の長髪を持つ姫様に出逢った。

「お三方、お初お目にかかります」
「おお。父に似て、凛々(りり)しい顔立ちをしているな」
「お褒めに預かり、光栄です」
(おもて)を上げよ」
「はい」

 若様の印象は凛々しいが、年相応の表情を見せた時、なぜだかぎゅうっと心臓を掴まれる(みょう)な感覚に(おちい)ったが、今はそんな些細(ささい)なことは後回しだ。
 姫様の印象は、引っ込み思案で大人しいが、恐らく怒らせると一番怖いのだろう。
 視線を(まじ)えて、数秒でお二人の容姿と、大まかな性格を(かんが)みた。

「では、娘の護衛を頼もう」
「はい。かしこまりました」

 あたしの父は、族長の命を守り、時に共に戦場を駆ける人だ。

「よろしくお願いいたします。姫様」
「…はい」

 言葉は少ないが、返事をもらえただけで、とりあえず良しとした。

 そして、父同様に、邸宅に住み込みで姫様に関わる全て。そして、大鬼族(オーガ)の威厳と品格を護衛する日々を送る事になる。

第2話 妹の護衛→←プロローグ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (202 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
486人がお気に入り
設定タグ:転生したらスライムだった件 , イケメン女子 , ベニマル   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

竜胆(プロフ) - 200回の投票を頂き、ありがとうございます。 (2023年3月8日 19時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、再び400人に到達! ありがとうございます。更新できるように頑張ります。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 瑠亜@影月さん» 瑠亜@影月さん、コメントと応援ありがとうございます。心変わりしてしまうほどとは(笑)もう話が一杯になったので、ただいま続編に向けて考案中です。更新できるよう頑張ります! (2019年5月13日 1時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠亜@影月 - 私はソウエイが推しキャラだったんですが、若様に心変わりしてしまいそうです(笑)これも竜胆さんの文才の力ですね!これからも更新頑張ってください! (2019年5月12日 21時) (レス) id: 9b9cc1c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 紫癸さん» 紫癸さん、コメントと応援ありがとうございます。お褒めの言葉も重ねて感謝します。ただいまコミック版最新話の展開を待機している状態なので、もうしばらくお待ち下さい。必ず更新します。 (2019年4月11日 22時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:竜胆 | 作成日時:2018年12月1日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。