第13話 イケメン女子 ページ15
「ご馳走様でした、ミリム様。…顔が紅いようですが、いかがなさいました?」
「Aのせいなのだ!」
「おかしな事をした覚えはありません」
くわえていた指先から唇を離し、頬を紅く染めた魔王から批判されても、正論を返す。
「うるさい! ワタシ達と一緒にスイーツ同盟に入って、責任を取れ!」
「甘さを控えめにして頂けるなら、加盟いたします」
「本当か。A!?」
「女に二言はありません」
決断力の早さと言動は男でも惚れるが、こうも女性に好かれると、ある疑惑が胸中に浮かぶ。
「A。もしかして――」
「リムル様。さすがのあたしも怒りますよ?」
「ハイ。ゴメンナサイ」
「女色でも、ましてや男色のケもありません。むしろ嫌悪しています。そこだけはご理解頂きたいですね」
リムル様の言葉を借りるなら、『イケメン女子』に分類されるだろう。このままいけば、十中八九、専属親衛隊が組まれる可能性がある。
その後、食事も終わり、主要な男性陣は魔王ミリムの担当と動向。他の魔王の出方にどうやって帰ってもらうかを、長机を挟んで議論していた。
「ところで、リムル様。当のミリム様は、どちらに?」
「ん? あぁ、風呂だよ。シオンとシュナに連れてってもらったんだが――」
誰かがこちらに走ってきて、乱暴に扉を開ける。胸と下半身に『バスタオル』を巻き、髪が湿った状態の魔王ミリムだった。
「リムル!! ここの風呂は凄いな! 泳げるのだ!」
「ミリム様! ほら。まだ
「おお、すまぬ。感動したから、早く
「ミリム様、タオル……!」
ミリム様に引き続き、
「あら、扉を閉め忘れて来たみたい。A。くつろいでいる時に申し訳ないけれど、お願いできますか?」
「構いませんよ。姫様」
おい、シュナ。絶対わざと閉め忘れただろ。
そんな胸中の罵倒とは裏腹に足音は近づき、自分の鼓動も早鐘を打つ。
「リムル様、申し訳ありません。ミリム様にきちんと言い聞かせます」
布一枚で隠されているものの、濡れた肢体が視界に映ったが、俺には刺激が強すぎ、反射的に両手で顔を覆い隠した。
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竜胆(プロフ) - 200回の投票を頂き、ありがとうございます。 (2023年3月8日 19時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、再び400人に到達! ありがとうございます。更新できるように頑張ります。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 瑠亜@影月さん» 瑠亜@影月さん、コメントと応援ありがとうございます。心変わりしてしまうほどとは(笑)もう話が一杯になったので、ただいま続編に向けて考案中です。更新できるよう頑張ります! (2019年5月13日 1時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠亜@影月 - 私はソウエイが推しキャラだったんですが、若様に心変わりしてしまいそうです(笑)これも竜胆さんの文才の力ですね!これからも更新頑張ってください! (2019年5月12日 21時) (レス) id: 9b9cc1c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 紫癸さん» 紫癸さん、コメントと応援ありがとうございます。お褒めの言葉も重ねて感謝します。ただいまコミック版最新話の展開を待機している状態なので、もうしばらくお待ち下さい。必ず更新します。 (2019年4月11日 22時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜胆 | 作成日時:2018年12月1日 1時