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後頭部に保冷剤を当てながらベッドで項垂れる永瀬くんと、その前のパイプ椅子に腰かける平野くん。
「あ゛ーーー絶対たんこぶになっとる……」
「いやそれよりなんで熱あるのにバスケやったの。バカなの？」
「紫耀には言われたないわ。気付かへんかった」
「それはバカだよ。俺でも気付くよ」
倒れる前からふらついていた永瀬くんは計ってみると三十七度四分。やはり熱があった。
そんな病人兼怪我人相手でもお構いなしに、永瀬くんと言い合いをする平野くん。
これ、私は要るんだろうか……二人のやりとりを聞いているのは楽しいけど。
「っていうか紫耀もAさんも戻らんでええん？」
少し赤い顔で永瀬くんが聞く。
やっぱりちょっとしんどそうだ。
「でも保健室の先生いないから……流石に永瀬くん一人で放置する訳にはいかないし」
「それなら残るんは一人でええやろ」
永瀬くんの言葉に、平野くんと顔を見合わす。
「Aさん、戻っていいよ」
「え、いやいや……平野くん、まだ出番あるでしょ？」
「や、えー行きたいけど！でも廉……」
「私もう出番終わったし、大丈夫だよ」
「そうじゃなくて、いやそうなんだけど。
廉の面倒一人で見させるの申し訳なくて……Aさんかわいそう」
「え、そっち？」
「もう紫耀帰れや！」
終わらない譲り合いに割り込んだ永瀬くんの一言により、平野くんが体育館に戻ることになった。
最後まで私に謝りながら平野くんが出て行くと、永瀬くんは糸が切れたように布団に倒れ込んだ。
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結愛(プロフ) - 突然すみません。以前他の方の小説を書かれていませんでしたか...？久しぶりに来てみたら大好きだった作品がなくなってしまっていて、頼さんをお気に入り登録していたのでもしかしたらと思いまして...。人違いやご不快に思われたらすみません。 (2020年7月23日 3時) (
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作者名：頼 | 作成日時：2019年10月4日 23時
