愛すべき者との別れの夜 ページ1
緊張走るとある一室のまえで静かに身を潜めた一人の青年は静かに唇を噛み締める
話の内容は木ノ葉隠れの里の内乱を避けるための上層部の話し合い
掠れても気迫ある声が扉を通り越して届く。
「…もはや容認はできぬぞ!
うちはがクーデターを起こせば里内が混乱に陥る!」
火影邸のとある一室で繰り広げられる話を全て聞き取る事は出来ないが、それでも室内で繰り広げられる内容は嫌でも耳に入ってくる
「…うちは、は嘗ての戦友。力でなく言葉で話しかけたい」
感じる気配、思う気持ち…
幾つもの感情が入り混じるその場所はとてもじゃないが俺には耐えられそうもない雰囲気が漂っているようだ
…扉越しにこの緊迫じゃ、中はどうなってんだよ
そっと扉に身を寄せれば低くよく響く声が聞こえた
極秘事項を話すには適さない声の大きさで…
「……そこで、何をしておる」
体が芯から凍り付くような感覚に容易く陥るその声と状況
「……っ」
……マジですか、天才ですか、そうでした、火影ですもんね
聞き覚えのある声に焦りながらもここで出ていくと俺は確実に怒られる、それだけは嫌だ←
中の状況をもう少し詳しく知っておきたかっんたが、見つかってしまった以上は致し方ない
……逃げよう!←
*
「話を、聞いていたんだろ?」
艶やかな黒い髪が風で静かに舞い上がる
漆黒の瞳に写るのは、迷いと決心
つきつけられた運命、任された使命に心を揺られながらも彼は呆然と美しき里を眺めていた
「…あはは、相変わらず完璧だな、お前は。
んで、いつから気づいていた?」
そう問えば美青年、イタチは「火影が扉を何度も気にしていて、立ち聞きするのはお前くらいしか思い浮かばない」等と失礼な事を抜かす
……俺、年上なんだけど、と思ったが彼の瞳を見ていると、何となく言いづらい
たった一時の夜の間で繋がる血筋を全て関係ごと打ち消すなんてことは…
任せておけ、それすら言えない俺は自分が酷く情けなく思えた……。
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作者名:ヨウ★(・^・) | 作成日時:2016年9月30日 17時