生放送の主役は私だ！3【wrwrd】 (ページ5)

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82話ページ5

「そろそろ皆んとこ行こか」

実は今日は撮影日なのだ。
22時から集合で、ディスコにログインした時に既に居たゾムさんからゲームしながら待とうとお誘いを受けて放送をしていた。
我々だルームを見れば既に何人かの名前があった。

「せや、俺の事もゾムって呼んでや」
『え、それは』
「あっち行くでー」

ゾムさんの事を呼び捨てとな。
答える暇もくれず移動する彼。
どうしたものか。

『こんばんはー』
「遅いで皆」
「なんや2人で楽しそうやったみたいやないか」

挨拶をしながら皆のところに戻ればムスッとしたような先輩の声。
俺も呼べや！って貴方今日帰り遅くなるって言ってたじゃないですか。

「せや、Aとしっぽりヤったで～いや良かったわあ」
『なんか語弊がある』

ゾムさんが私に対して下ネタ発言する事って今までなかったような。
なんだろう、呼び捨てで仲良くなれた感じはあるけどエ〇小僧まで顔を出すとは。
気付けば皆シーンとしていて。

『…あれ？』
「んひひっ」

ディスコの不調か何かか、慌てて確認するけど特に問題は無いしゾムさんの笑い声は聞こえているからこちらの問題ではないだろう。
彼は何か察しているようだけど。

「ゾムお前なんやこら！いつから呼び捨てしとんや！」

突然耳に突き刺さるロボロさんの大声。
あの人本当にちっちゃいわりに声量半端ないから耳が死にそうなんだけど。

「俺とAの仲やもん、ええやんか」
「お前にしては下ネタやら控えとる思ってたら！何ちゃっかり抜け駆けしとんねん！」
「抜け駆けって酷いわー、ロボロも呼び捨てすればええやん」

何やら私の呼び方について揉めているようだ。
いや揉めるような事無いと思うんだけど。
呼び捨てにしてくれるならとても嬉しい。

「なっ…え…～～出来るかぁ！！」
「DTは大変やなぁ」

爆笑しているゾムさんとキーキー文句を言っているロボロさん。
仲良しだなぁ…私もあれくらい言い合える仲になりたい…切実に。

「どーせAが言ったんやろ？お前らも普通に呼べばええやん」

さすが先輩わかってますね。
なんだか私のせいで喧嘩しているようだけど、やっぱり距離近付くには名前の呼び方って結構大事だと思うんだよね。
他の人も遠慮なく呼んでくれたら嬉しい。

『呼び捨て大歓迎ですよ』

きっと今の私の声は特別嬉しそうに聞こえるだろう。

「あ…が、頑張るわ…」
「せやな…徐々にな」

皆が私を呼び捨てにする日までそう遠くはないかな。
だといいな。