クイニーと記憶 ページ24
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「わ、ぁ!」
ティナに連れられ辿り着いた質素な建物。彼女が住むアパートだというそこは、シンプルな外装からは想像出来ない魔法が部屋に溢れ帰っていた。
一人手に動いて服のシワを伸ばすアイロン、暖炉の前でくるくると回る洗濯物、リズミカルにドレスを繕うドレスメーカー。
日常に溢れ返る筈の家事魔法だが、ニュートの
ティナの視線にハッとして、さも「別に驚いてないわよ」というスタンスに切り換えたが。
───だってマスター、動物関係じゃないとてんで適当なんだもの!自分の回りなんて魔法も使わず放っとくし!
メラはじっとりとニュートを見つめようとして───ドレスメーカーの指揮者の存在に気付いた。
シルクの薄いスリップ一枚。際どい布から滑らかな肌を惜しげも無く晒し、艶やかなブロンドを揺らした美女。特に、豊満な白磁の胸元には溢れんばかりの色気が──
「……ダメ!」
ここまで認識したと同時、メラは首を痛める勢いでニュートに目を向ける。
見惚れてたらどうしよう!
必死の気持ちで美女をニュートの目線から隠すように立ちはだかるが、そもそも彼は彼女を見ていなかった。
「え、何が?」と問う彼は、元より下着姿の美女にすら気付いて居なかったらしい。代わりにジェイコブがポカンとした間抜け面で、食い入るように彼女を見ていた。
美女はメラの様子に吹き出した後、おっとりとティナに話しかける。
「ティーニー──殿方を連れてきたの?それに
「紹介するわ、私の妹よ。……服を着たら?クイニー」
「あら、そうね──」
あくまでのんびりと。さっきまで繕っていたドレスを魔法でしなやかに纏った彼女──クイニーは、どう見てもティナの血縁には思えなかった。
ティナも端整な顔立ちはしているのだが、クイニーが醸す甘い色気が一切無い。男勝りな雰囲気すら持つ姉に比べて、女らしさを詰め込んだのがクイニーだった。
「それで、どういう方々?」
「こちらはスキャマンダーさん、隣が彼の同行人のメラさん。国際機密保持法の重大な違反を犯したの」
「犯罪者って事?」
「そう。こちらはコワルスキーさん。ノー・マジよ」
似てない姉妹でつつがなく進む説明に、メラは唇を尖らせる。
───犯罪者だなんて!
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みかこ(プロフ) - るとさん!読んでくれてありがとう(涙)やっちゃった……こう言うのは勢いだよね((ジェイコブさん良いよね!めっちゃええ人……(尊い)むらむら更新だと思うけどのんびり頑張るね(゜∇^d)本当にありがとう! (2018年12月19日 8時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
木兎宮ると(プロフ) - おお!ついに公開したのだねっ!!(歓喜)ニュートも好きだけど、ジェイコブさんが本当に好き(尊い)ので沢山出しておくれ…(願望)無理せずに更新頑張ってd( ̄  ̄) (2018年12月18日 19時) (レス) id: 68f0c4b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 衛さん» わああ衛さんまで駆け付けてくださって……感謝の言葉が見つかりません嬉しいです(つД`)ジェイコブさんも大好きなので絡ませて行きたい……ゆるっと頑張りたいと思っておりますので気力続く限りお付き合い頂ければ幸いです(涙) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アイカ@低浮上さん» イメログからありがとうございます!何だか絵だけじゃ物足りない気がし始めてしまって……あれよあれよと勢いで公開してしまいました汗お褒めの言葉までありがとうございます!精進します( ;∀;) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» マボ様に読んで頂けたなんて幸いです(涙)そして恐縮でございます汗応援ありがとうございます!自分なりに頑張ります( ´∀`) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかこ | 作成日時:2018年12月16日 20時