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ジェイコブと再会 ページ23

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「───症状はせいぜい48時間だ!よければ僕らが面倒見るから──」


「面倒見る?それはあり得ません!貴方達……本当にアメリカの魔法社会について何にもご存じないの?」


「いや、少しは存じてますよ。非魔法族との関係についての時代遅れの法律とか。友人になっちゃダメ、結婚もダメ、少しばかげていると思いますけどね」


ティナとニュート。白熱してきた議論にジェイコブは目を白黒させる。入る余地が全く無い。同じく会話の応酬に入り損ねたメラの存在に気付き、彼は朦朧とした意識で声をかけた。


「なぁ、お嬢ちゃん……「マホウシャカイ」って何?俺、結局どうなる?」


「魔法の社会。そのまんまよ。魔法使いにも色々法律があるの。

貴方がどうなるかは……勝敗によるわ。おじさまはどっちでも多分大丈夫だけど、マスターが負けたら私達は絶望的」


「絶望的って───負けてるじゃないか?」


脂汗を流しながらすっとんきょうな声を上げたジェイコブに、メラも「え」と間抜けな音を漏らす。


ジェイコブの体を支え起こしつつ、「手伝って!」とニュートを一喝するティナ。元来お人好しで正義感が強い上、事態を引き起こした責任を感じて居る彼がそれを断れる筈もない。


この場の主導権が彼女にもぎ取られて行ったのは、火を見るよりも明らかだった。


「メラさんも早く来て!ここに置いていかれたく無いなら!」


ティナの剣呑な呼び声にメラは顔をしかめ、「命令しないで!」と負け惜しみじみた言葉を返す。


───役人様ってほんとに、頭固すぎるわ!やな感じ!


余りに効かない融通に、メラの苛立ちは最高潮に達していた。


ティナがこちらに伸ばした手をあからさまに無視し、ニュートの懐に飛び込んだのも最早意地に近い。


「───貴女、本当に20?」

「何とでも言えば良いわ」


つんとそっぽを向かれたティナは呆れ返って膨らんだ青いコートの腹を一瞥し、ニュートは突如始まった女同士のバトルに困惑する。


「に、にじゅ───」



そしてジェイコブは服の合わせから覗くメラの顔を凝視して、新種の小人と遭遇した様な奇声を上げた。青い顔を更に青くして。



────くるり、安アパートの中心で世界は回った。

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みかこ(プロフ) - るとさん!読んでくれてありがとう(涙)やっちゃった……こう言うのは勢いだよね((ジェイコブさん良いよね!めっちゃええ人……(尊い)むらむら更新だと思うけどのんびり頑張るね(゜∇^d)本当にありがとう! (2018年12月19日 8時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
木兎宮ると(プロフ) - おお!ついに公開したのだねっ!!(歓喜)ニュートも好きだけど、ジェイコブさんが本当に好き(尊い)ので沢山出しておくれ…(願望)無理せずに更新頑張ってd( ̄  ̄) (2018年12月18日 19時) (レス) id: 68f0c4b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 衛さん» わああ衛さんまで駆け付けてくださって……感謝の言葉が見つかりません嬉しいです(つД`)ジェイコブさんも大好きなので絡ませて行きたい……ゆるっと頑張りたいと思っておりますので気力続く限りお付き合い頂ければ幸いです(涙) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アイカ@低浮上さん» イメログからありがとうございます!何だか絵だけじゃ物足りない気がし始めてしまって……あれよあれよと勢いで公開してしまいました汗お褒めの言葉までありがとうございます!精進します( ;∀;) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - アバンギャルド・マボさん» マボ様に読んで頂けたなんて幸いです(涙)そして恐縮でございます汗応援ありがとうございます!自分なりに頑張ります( ´∀`) (2018年12月17日 0時) (レス) id: 243d49e4e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みかこ | 作成日時:2018年12月16日 20時

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