ジュエルボックス/ eml ページ15
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大切な物は大切に大切にしたい性分だ。それは例え物でも人でも思想でも。俺が大切にしたいと思ったらそれは俺にとってかけがえのない大切な物だった。即ち所持欲求が強い人間とも言えよう。分かりやすく言うなれば独占欲の強い人間だということだ。故に俺は大切だと思えるものに自分を惜しまない。裏を返せば俺は自分勝手な人間なのだ。
「ただいま戻りました、Aさん。」
彼女の為に購入した一戸建て。その玄関を潜るたびにどうしようもない愛しさが込み上げる。とても満ち足りた気分になるのだ。これが同棲というものだろうか。確実に施錠しているのを確認して靴を緩慢に脱いだ。持ち帰った仕事用の鞄とスーパーで購入した食料品をキッチンへと運ぶ。
「今日は豚肉が特売日だったんです。Aさん、生姜焼き好きだったでしょう？」
彼女の為に用意した一戸建ては中古と宣いながらも今し方そこそこに稼げる画家という職人のアトリエだった。前衛的なアーティストでは無く、所謂美術というハイカルチャーを嗜む古風な人のアトリエだった。海に近いこの家は正直言って素晴らしい。
「もう少し待ってくださいね。食糧を蔵い込みますから。」
一人暮らしの為か冷蔵庫はあまり大きくは無い。まあ、1週間分の食糧を買い込むことなんて無いから別に構わないのでだけれど。目に付く所に大体を想定して陳列してゆく。物の数分で片付いてしまうのが毎回何故だか虚しくなってしまう。
「すみませんね、中々私も忙しいものでして。もう、会社やめたい。」
彼女に愚痴をこぼしたからといって別に何かが変わる訳では無い。それでも幾分か鬱憤が晴れるのは間違いなく話している相手が彼女だからだろう。一応のノックをして共用の寝室に入室する。彼女の為に購入した事もあって寝室は特に拘っていた。まるでお姫様が住まう部屋だ。
「そうですね。辞めてしまったら貴女を養えなくなる。だから辞めたりしませんよ。」
其処のウォークインクローゼットを開いてスーツを閉まってゆく。着ていくものは決まりきっているからハンガーに吊るして消臭スプレーを振り掛ける。彼女が好きそうなフローラルな匂いが広がった。この黒いスーツは白いこの部屋には似合わないからクローゼットにそそくさと閉じ込めた。
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鵯(ひよどり)(プロフ) - 栄養失調さん» みんな大好きやまとちゃんですが、噂(史実)によると沈没日が4月7日付近らしいのです。厳密には沖縄周辺にはでは散っておりますが、あくまで全国平均です。大和戦艦ミュージアムで桜の花をモチーフにしていたりしたのでつい。コメント誠に有難うございます。 (2019年10月14日 7時) (
レス) id: 470ef09c6f (このIDを非表示/違反報告)
栄養失調 - 鵯さんの書く作品は本当に美しいですね。言葉一つ一つが繊細で……なんか、言葉にできないような、はい。頑張ってください！！！！(やけくそ) (2019年10月14日 1時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
栄養失調 - ちょっと待った(迫真)桜纏し大和戦艦……？さくら……さく……ら……？桜は散り際が……一番……(涙戦崩壊) (2019年10月14日 0時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
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