いざ材料調達へ ページ20
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じーさんに頼まれた本棚を作るべく、今日は街の方へ買い物に行く。
ホームセンターってのは便利だけど街中にしかないのが残念だよな。
「俺も行く」
「俺も」
『天馬と幸か。免許ないから電車だけど、それでもいいなら』
「わかった、着替えてくる」
どうやら服を買いたいらしい。
最近の子は洒落てるもんな…しょうがない、幸に睨まれるからジャージで行くのはやめておこう。
シャツにカーディガンを羽織って、明るい色のボトムスを合わせて部屋から出てくると、真っ先に幸のチェックが入った。
「…」
『…やっぱもうちょい考えた方が良かったか?』
「少し待ってて」
「おい、早くしろよ」
帽子とサングラスで変装した天馬が声をかけるけど、それはあえなく無視されてしまう。
ドンマイ天馬。
「これ、アンタに似合うから」
『なんだっけ…ストール?』
「そう。__うん、やっぱり俺の見立ては完璧」
満足そうでなによりです。
ファッションに興味を持ったことってあんまりないからなぁ。
幸に仕立ててもらえば完璧にしてくれるらしいから、今度から頼もうか。
こうして寮を出発した俺たちは30分程で大きなショッピングモールに到着した。
「こっちから行こうぜ」
「え、俺こっちから行きたいんだけど」
『…昼にフードコート集合で。解散』
終始殺伐とした空気の2人。
俺が空気読むのって珍しいんだけど、そうしないといけないくらいの状態だ。
こういう時くらい仲良くしてしてほしいけど。
__2人と別れた俺は、真っすぐ目的の店へと向かった。
〜〜〜
買い物をさっさと終え、待ち合わせ場所に着くとそこには既に天馬がいた。
俺に気づくとサッと手を上げて合図をくれる。
『早かったな』
「買うものは決まってたからな。Aは…大量の荷物だな」
『仕方ないんだよ。これでも半分くらいは配達頼んだんだぜ』
天馬の買い物袋を覗くと、これはまたお洒落な服がどっさりと入っている。
センスがいいな、さすが俳優さん。
『そういや、何で幸と仲悪いの』
「…特に理由はねぇよ。お前だって苦手な事とかあんだろ」
『まあね。女は苦手ってか嫌いだし、詮索されんのも嫌いだし、めんどくさいことも嫌い』
「大分わがままじゃねえか」
フッと笑いながら言われる。
自分でもそう思うけどね、こう育っちまったもんはしょうがない。
『幸も天馬もいい子だからさ。仲良くしてほしいんだよ、俺としては』
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あーか(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: 460cee1a24 (このIDを非表示/違反報告)
哲弥 - あの…もう終わりですか? 俺楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年6月6日 17時) (レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!精一杯書かせていただきます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - サカナさん» ありがたいお言葉…励みになります!ありがとうございます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続きとっても楽しみです!頑張ってください! (2017年9月6日 18時) (レス) id: 9dcf28c287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2017年6月7日 22時