少女よ、咲き誇れ 【鬼滅の刃】

花弁がさんじゅうさん ページ39

◆◇


「俺の方が強いからに決まってるだろうが!!弱い生物が、強い生物に逆らうことこそ可笑しいんだよ!!」

『うわー、そんな暴論初めて聞いた。じゃあ、あんたは宇髄さんより弱いから今すぐ言うこと聞かなきゃね？』

このまま黙って、土と同化していたいのに私の口は止まってくれない。

「お前脳味噌詰まってんのか？こいつは、俺にやられてるんだぞ！」

『それは、宇髄さんが男の人を守ってるから。戦ってる相手の力量もわからない時点であんたは雑魚なの』

「……いい加減にしろよ、雑魚女」

鬼がついにキレた。
体は、宇髄さんの方を向いているが目だけは私を鋭く睨みつけている。

「かかってこいよ、殺してやる」

『は？やだよ。あんたが来なよ』

「ぶっ!!お前、派手に言うじゃねぇか！」

宇髄さんが後ろで吹き出していた。
だって、絶対近づいた瞬間攻撃してくるでしょ。

「っ!!てめぇらみたいな下等生物はなぁ！大人しく俺達、鬼の食料になればいいんだよ！その為に生きればいいんだ！」

さっきから、気に入らない鬼だと思っていたがこの言葉で私の中で渦巻いていた感情が爆発した。
すぅっと息を吐き出し、構える。足に力が入る。


___生の呼吸 肆ノ型 死疑瞬息


『偉そうにベラベラ喋ってるからその首、斬っちゃった』


気づけば、私は移動していて宇髄さんの目の前にいた。

「斬った、だと？おいおい、ついに目まで可笑しくなったのかぁ?!俺の首は斬れてねぇぞ?!」

『ねぇ。首、大丈夫？』

「は？なんのこ……と、」

鬼の頭と胴体がゆっくりとずれて落ちた。
頭をなくした首から、赤い血飛沫があがる。

赤い、赤い、あの時と同じ花が咲く。


『鬼が人間を喰らうのは生きる為だ。しょうがないことだとも思うよ。でもね、』


動物や魚を喰らう私達がどうこう言える資格ないんじゃないかと思う。

まぁ、普通に殺されたくないからこっちも攻撃するけど。


『あんた達鬼が、人の生きる価値だの、生きる理由だの、勝手に決めてんじゃねぇよ』


私がそう言ったのが早いか、鬼の体がボロボロと崩れ消えた。

「Aちゃぁぁん!!大丈夫だった?!」

鬼が消え、緊張が緩み息をついた時とんでもない力で須磨さんにタックルされた。

後ろを振り向けば、既に宇髄さんは傷の手当てをされている途中だった。

文句でも言ってやろうかと須磨さんに抱きつかれたまま近づいた時

「なんで……なんで、助けたんだよ!!余計なお世話なんだよ!!」

男の人がそう、叫んだ。

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