花弁がにじゅうろく ページ30
◆◇
あぁ、だから嫌だったんだ。
柱の任務に同行なんて、絶対無事じゃ済まないから。
私が鬼殺隊に入ったのは、人を救いたいからじゃない。自分が生きる為だ。
だから、他人の為に命をかける理由もなければ度胸もない。
「うーん、でもそれじゃあすぐ死んじゃうわね……そうだわ!指の爪を1つずつ剥がしてあげる」
どうして、こんな鬼と戦わなきゃいけない。
忘れてるかもしれないが私まだ、鬼殺隊になって1週間もたってないからね?
「まずは右の親指から」
『〜?!』
ベリッと嫌な音共に激痛がはしる。
思わず、叫びたくなったが咄嗟に唇を噛んで我慢した。
この鬼は泣かれることに興奮をおぼえるっぽい。なら、絶対痛いなんて言ってやらない。
「ひっ!だ、だれかぁ……」
後ろで女の人がすすり泣く声が聞こえる。
ごめんなさい。現れたのがこんなクソ弱い女で。
「ね、命乞いしてみてよ。そしたら助けてあげるかもよ?」
『お願いします。助けてください』
「あはははっ!本当に言ったわ!!貴方本当に鬼殺隊?!誇りも恥もないのねぇっ?!……ま、助けてあげないけど」
くそ、サディストが!!お前なんか、太陽に焼かれてじわじわ苦しんで死んでしまえ。
鬼殺隊に向いてないなんて、自分が1番よくわかってる。
「他の人間もね、命乞いをするの!貴方のように!どうして人間はそんなに生きたがるのかしら?」
本当滑稽だったわ、と鬼が笑うが私は不愉快な気分になる。
『……生きていられるなら、誇りも恥も喜んで捨てるよ』
「惨めねぇ、貴方」
鬼が心底、可哀想なものを見るような目をする。
「人って本当、弱くて脆い。だから嫌いよ。弱い生物なんて生きる価値もないわ」
『はっ!可哀想だね、あんた』
確かに、私は惨めで弱い。柱の様に強いわけでも、炭治郎の様に確固たる信念もない。
でもね、あんたの方がよっぽど可哀想だ。
『生きたいと、願ったことさえ忘れてしまった化け物風情が偉そうに……人間を語んなよ』
「じゃあ、その可哀想な化け物に殺される貴方はもっと可哀想ね!!」
あー、どうして煽っちゃうんだろう馬鹿か私は。鬼が私に向かってくる。
月下獸は……無理だ。ボロボロの私にそんな、体力残ってない。
頭をフル回転させていると不意に、何かがきた。この感覚は、新しい型を出す時に必ずくるもの。
それに身を任せ、刀を振るった。
___生の呼吸 参ノ型 麒麟
ドゴォンっと雷鳴のような音が夜の闇に轟く。
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時