花弁がよんじゅうに ページ4
◆◇
『大体ねぇ!!私は華咲さんの所より、鬼殺隊の方が安全だから入ったの!!なのに、腕は折れるし?怪我するし?挙句に、倒れるし!!』
八つ当たりだとわかっていたが、鳩があまりにも私を情けないものを見るような目で見るから口が止まらなかった。
「オ、オイ!」
『なに?人が話してる時に』
怒っていると、鳩は私の後ろを見つめ慌てている。変なやつ……と思いながら後ろを振り向けば、人の顔がついた大きな蜘蛛がいた。ピシリと私の体は固まった。
(善逸が出会った蜘蛛じゃん!本当にいたんだ!)
なーんて、呑気に考えているとカサカサと動いたそれ。
『ねぇねぇ、鳩。私ね、』
「ン?」
『く、蜘蛛は無理ぃぃぃぃっ!!』
蜘蛛から背を向け全速力で走る。華咲さんが楽しみにしておいた饅頭を食べたことがバレて追いかけ回された時より早かったと思う。
「オィィ!!逃げるな!恥さらし!!」
『誰が恥さらしだアホ!!じゃあ、あんたがあれ追い払ってよ?!』
逃げる私の横で、鳩が怒る。ーー地味に頭つつくのやめて?!痛い!!
「オマエみたいなのが、なんで鬼殺隊になれたんだ!!」
『こっちが聞きたいわ!!』
鳩と言い合いをしていると、向こうの方が森が開けているのに気づいた。出口だと思って、更に走る。
『はぁはぁっ……ほんと無理!!気持ち悪っ!』
止まって、後ろを振り返ってみると蜘蛛はいなくなっていて安心していると
「なんだ?お前?」
声がした。と同時に、物凄い異臭が鼻を刺激する。
『くさっ!!って、え?』
「その声は、A?」
顔を上げれば、人面蜘蛛がぶら下がっていた。
その奥には、木にしがみつく善逸。
『ぜ、善逸!久しぶりだね〜』
とりあえず、ポカンとしている善逸にヒラヒラと手を振ると善逸の顔が歪む。
「うわぁぁぁっ!Aーっ!!」
鼻水と涙をこれでもかってくらい、流しながら私の名前を呼ぶ善逸。人面蜘蛛に囲まれながら木の上で号泣する善逸……うん、物凄く異様。
「くふふっお前も鬼殺隊か!美味そうな匂いがするな」
ペロリと舌舐めずりをして私を見る、人面蜘蛛のボス。
「お前いいなぁ。喜べ、蜘蛛の仲間にしてやる」
『ひぃぃっ!!無理無理!』
じわりじわりと近づいてくる蜘蛛。気持ち悪さと恐怖で、震えながら刀に手をかけた時
「Aに近づくな蜘蛛野郎!!」
雷の様に突然、黄色が私と蜘蛛の間に入った。
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美穂(プロフ) - 凄く続きが気になります (2022年12月1日 22時) (レス) id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 面白かったです!! (2021年10月10日 16時) (レス) @page32 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして!お話面白かったです!更新しないのですか?続きが気になります! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
床に落ちてるゴミ - あれ?更新しないのですか?とても面白かったので続きが読みたいです! (2020年9月7日 18時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
日和 - 凄く面白かったです!ヽ(*´∀`)ノ続きが気になります!ゆっくりでいいので更新待ってます! (2020年9月4日 15時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年6月27日 23時