遅咲き高校デビュー ページ48
〈教室〉
次の日、1時間前に来るらしいランドルフを待ち伏せするためにクルーウェルも早起きをし、朝早くから学校に来ていた。
「……ウッ、わぁ、おはようデイヴィス。」
「お前、約束破ったな?」
「しょうがねぇだろ!恥ずかしいジャン!!」
「ハァ、誰もお前のこと認知してないから、クラスに転校生来たくらいにしか思わねぇよ。」
「それはそれでツラい!」
「メイク道具は?」
「持ってきたよ、一応」
「化粧落とした後の保湿は?」
「そこまではちゃんとやったよ。全く、昨日寮に帰ったらジェフに笑われたんだから。」
「誰だよジェフ」
「ルームメイト。」
昨日と同じく、ごねるランドルフを余所に教室にメイク道具を広げてメイクを無理矢理はじめる。
「ほら、自分でやってみろ。手伝ってやるから。」
「エーン、難しいヨ〜ウ」
「泣くな雑魚」
「ザコ!?そりゃヒドイぜ」
そんなこんなでグダグダやっていればチラホラと生徒は登校してくるわけで。
「えっ、だれ!?」
「……出席番号3番のランドルフ・ボグジーズ。」
「へぇ、こんなイケメンいたんだ。よろしくな、ってまあもうすぐクラス変わるか。」
「エッお前、ボグジーズ?!どうしたんだよ、てかクルーウェルと仲良かったっけ?」
「最近ね。存在感薄すぎるから何とかしろって怒られたんだヨ。」
「確かにな!いいじゃん似合ってるぜ。でもクルーウェル、アイシャドウもっと明るい色のが良くねぇ?」
「そうか?まぁたしかに。」
「ア、ボグジーズ君、おはよう!」
「おはよう、ギデオニー。」
クルーウェルの言った通り、ランドルフの存在を知っている人や先生は存在感出るからいいじゃんと言うし、知らんやつはなんか紫のヤツが転校してきたのかなくらいの反応だった。他クラスの生徒に関しては尚更だ。
「ほらな?言った通りだろ。」
「グッ、ちょっとショック……」
一日この格好で過ごしてみて、ランドルフは居心地の悪さは否めないが、色々な事で色々な人に褒められるようになった。似合ってるとか、授業で、凄いな!とか。マァ居心地が悪かろうが褒められて悪い気はしない。ランドルフはこの格好も別に悪くないかなと思ったのだった。
これからランドルフとクルーウェルがマブダチとなり、更には職場さえ同じになるまでに波乱万丈、紆余曲折あるのだが、それはまたの機会に綴ることとしよう。
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ヒューガ(プロフ) - 夢喰さん» ありがとうございます!頑張ります〜😊😊 (2022年6月17日 21時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰(プロフ) - 更新頑張ってください!!めっちゃ好きです!! (2022年6月13日 0時) (レス) @page23 id: 5ee2b54502 (このIDを非表示/違反報告)
ヒューガ(プロフ) - 月宮さん» えーッ!ありがとうございます!! (2022年5月5日 19時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 - うぐぅ...あ"...ずぎぃ... (2022年5月3日 18時) (レス) @page15 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
ヒューガ(プロフ) - 洸さん» ありがとうございます!モチベーション上がります! (2022年4月26日 5時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒューガ | 作成日時:2022年4月10日 8時