【おそ松さん】声が出ない君に恋をした【おそ松】

隣の子 ページ4

おそ松side

暫く、ピアノの美しい音色と女の子に目を奪われて、立ち尽くしていた。

滑らかな手の動き、何も囚われない集中力。そして…綺麗な顔。

一目惚れ、したんだなと、気付いた。

一曲が終わり、俺は拍手をしていた。

女の子はびっくりして、俺を見ていたが笑いかけてくれた。

「ピアノ、習ってんの？」

そう聞くと、ポケットから何かを取り出して俺に渡した。

『小さい頃に両親に習いました。』

この子、耳が聞こえないのか？

「そうなんだ…上手だな。」

そう言うと、その子は少し照れながら礼をした。

するとまた紙を渡してきて…

『私は、長井Aです。あなたは？』

「俺は、松野おそ松。よろしくな、長井。」

本当は名前で呼びたいけど…さすがにな。

前を見ると笑顔を見せて頷くAの姿が視界に入る。

ちょうど、夕日がバックになって綺麗だな。

つーか、可愛い…

病室に戻る途中、

「そういえば、スマホとか持ってんの？」

Aは頷いて、俺は話を続ける。

「じゃあさ、LINE交換しよ？」

こいつの事知りたいと思ったのも一理あるけど…好きだし。

まぁ、OKくれるわけないよな。

そんなこと思っていると、服を引っ張られて隣を見てみる。

そこにはスマホを取り出して、LINEを開いているAが目の前にいた。

俺もスマホを取り出して、LINEの画面にした。

そして、LINEのIDをゲットした。

超嬉しいんだけど…





部屋に戻ると、すっかり冷えたご飯があってそれを食べた。

病院食って、味薄いな…

それから食べているとLINEが届いた。

Aからだ。

あ、ヤバイ…うれし…

メッセージは

『君のこと知りたいです。』

と。

え、これ、脈アリ！？←気が早い。

早速メッセージを返して、ご飯なんか食べるの忘れて、会話した。

わかったのは…

・俺と同い年の二四歳ということ。

・誕生日は四月九日。

・両親がいないこと。

・心因性失声病であること。

これくらいだ。

俺と同い年なのに、こんなに苦労してるんだな…

それに比べて、俺は…

俺も、Aを見習わないとな…

.

はいどうもです。ムフフです。

心因性失声病とは、精神的に大きなショックを受け・強いストレスが影響して声が出なくなる病気です。

ネットで検索すれば出てきます。【詳細】

それでは、またいつか。

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