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『またまた、すみません…』
ドラッグストアに入るのも、一緒に歩いて帰るのもダメ
この人の意思は固いみたいで、折れてくれそうになかったから結局タクシーで帰ることになった
「Aさんが折れてくれないんで 笑」
『いやいや、長谷川さんが無理なの分かってて聞いてきたから… 笑』
親しい仲じゃないのに、お互い折れないのがなんか面白くなってきて笑っていると
運転手「仲良しですね、羨ましい」
ミラー越しに僕たちを見ながらそう言った
良かった、Aさんが笑顔になってくれて
さっきの出来事が、今は少しでも忘れられていたらいいな、なんて。
Aさんが住んでいるマンションの前
ここで別れるのは、今日で2回目だ
『また私のところまで送ってもらって……もし遠かったらすみません』
家どこですか? とか ここから近いですか?とか、そういうのを何も聞かないのはきっとAさんなりの配慮で
こういうところ、本当にきっちりしている人だなぁと思う
「すぐそこなので、全然大丈夫ですよ」
実は本当に近くて、大きな道路を挟んで斜め前のマンションに住んでいるんだけど………まだいいか、教えなくても
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作者名:檸檬 | 作成日時:2022年7月17日 23時