2 青春フィルム (ページ32)

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風磨 side

我ながら自分はずるい人間だとつくづく思う。

健人「菊池がまだ終わってないとか珍しいね」

風磨「昨日、体調悪かったせいで時間なかったんだよ」

健人「でもみんな偉いよねー、

普段は部活全然来ないのにいざ全員強制出展ってなると期限内に提出出来るんだもん。」

今日までに仕上げなきゃいけない作品が2つもある。

本当は昨日の放課後仕上げるつもりだったんだけど、まさかの発熱で学校を欠席する羽目になると言う誤算

本来なら活動日じゃない今日

暇そうな中島を巻き込んで、急いで作業中

健人「あとー、出してないのはー、菊池だけ……

ってあれ……」

風磨「どした？」

健人「Aちゃんがまだ出してない」

風磨「A…？」

珍しい。

期限とかはきっちり守る Aなのに。

しかも、もうどのクラスもHRは終わってるはず…

部室にAの姿は現れない。

健人「なんも連絡入ってないよねぇ」

風磨「帰ったとか？」

健人「Aちゃんが忘れるかね、」

そのとき部室のドアががらがら、とゆっくり重たそうに開いた。

健人「Aちゃん…！？」

風磨「……、」

そこに立っていたのは髪も少し崩れて顔色は真っ青で、立っているのもやっとなAの姿

だいぶ、弱ってる、

健人「Aちゃんどうしたの！？」

慌てて中島が駆け寄るのを俺は唖然と眺めることしかできない。

健人「めっちゃ体熱いじゃん！」

「…しゃ、しん……やらないと……」

健人「そんなの今はいいから！

帰ろ？家でゆっくり休もう？」

「やら、ないと……、

だめ、なんです……」

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