居酒屋で会った婚約者【五条悟】

百々目鬼の狙い ページ42

｢感謝するぞ。五条家の坊｣



しかし、無礼だ。









その言葉と共に強烈な蹴りが来た為思わず彼女｢だったモノ｣から手を放し、距離を取る。
だが、その瞬間に僕の脳内では思考がぐるぐると回る。

何で百々目鬼が彼女を乗っ取ってる？

｢可笑しな気をおかすなよ？此処は妾の領域内。
妾は30秒間なら、どれだけ相手と力の差があろうとも妾の領域を展開することができる。
この中でお前は赤子に過ぎん｣

｢……よく喋る口だねぇ。彼女を乗っ取ってオマケに僕を掌握すると？随分と僕の機嫌を逆撫でしたい見たいだ｣

｢勝手に逆立つな。妾はお前達と敵対する気は無い｣

そう言うと百々目鬼は先程倒したはずの式神を召喚したのだ。

｢……それが君の術式？｣

｢手の内を晒せば少しは信用してくれると思ったのだがな？｣

おどけた口調でそう言った百々目鬼は呆れた風のポーズをとる。

｢…何が目的かだけ聞こうか｣

｢妾の宿主を守る。それだけだ｣

ほくそ笑み、僕を窘めるかの様にそう言う百々目鬼。

守る？彼女を守る？
今迄呪霊と相対して来たが、呪霊が人を守ろうとしている事は使役していなければ有り得ない。
だが百々目鬼は確実にそう言ったのだ。｢宿主を守る｣と。

｢頭でもイカれてんのかよ｣


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百々目鬼の術式とかはまた後日まとめさせて頂きます。

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