居酒屋で会った婚約者【五条悟】

こんな気まずい再会は無いわ ページ27

七海 建人待ち時間での小話

｢そういえばさ、ずっと思ってたんだけど｣

｢何？｣

｢何で未だに銀髪君なの？もう名前明かしたし辞めてよ｣

｢え、じゃあ何て呼べば良いの｣

｢さとるくん｣

｢丁重に断る｣

余りにも駄々を捏ねる為、五条君と呼ぶことで妥協案となった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


2人だけの空間に向かってザッザッザと足音が聞こえる。
其方に顔を向けると、五条君に負けず劣らずの背丈に、パリッとしたスーツ。目に優しい色の瞳をサングラスで隠した、七海君が居た。

｢いやっほー七海。結構早い到着だね｣

｢勤務時間外に電話掛けてきて、来いなんて言う人は貴方だけですよ｣

溜息を吐いて、五条君に軽蔑の眼差しを向ける彼は、昔貼り付けていた隈は無くなり、健康的な顔色が伺えて安心する。

いや、すまんかった。私も止めたんだけど五条君が呼んじゃったんだよ。


｢それで、こんな所に呼び出して何の用ですか。呪霊は見当たらないようですが｣

｢今回呼び出したのは呪霊より厄介でね。
協力者には七海が適任だと思ってさ!!あと、合わせたい人が居るんだ｣


そして五条君は視線を此方に向ける。
アレは来いって事か？と思い、2人の居る電灯の近くに寄る。
七海君が私を見つけ、表情がハテナから段々と険しくなる。

｢君の元先輩の四宮 Aさんです!!｣

｢…お久しぶり、七海君｣

｢……｣

ハハッ、と笑いながらの再会でこんなに気まずいと思った事はない。
助けてくれ。

勤務時間外のお願い→←後輩の七海君

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す