考察 ページ24
｢それで？｣
そう言いながら彼女はブランコに再び腰掛ける。先程までのポカーンとした顔はなく、真剣な面持ちだった。
さっきまで凄い面白い顔してたのに。
｢私のこの腕をどうやって祓うつもり？祓う為だったら腕1本位お釈迦にしても良いけど、命までは捨てたくないよ私｣
そう言いながら彼女は右腕をブラブラさせる。
｢取り敢えず5年前に其れが発症して、10年以内に体を乗っ取られると仮定するならリミットは少なく見積もっても残り4年とちょっと。
僕は呪術界ならある程度顔が効くし、腕を切り落として祓うなんてのは最終手段かなぁ。
あ、命まで取られる事は僕が絶対阻止するから安心して｣
もう一度腕を見せて欲しいと頼むと彼女は渋々包帯を外す。
晒された腕は確かに一般人が見れば不気味かもしれないが、コレぐらいなら見慣れているレベルだ。
｢百々目鬼本体からの意識への問い掛けとかはある？｣
｢其れは今の所ない…ってか、此奴話しかけてくんの？嘘でしょ!?｣
｢まぁ封印される前は特急呪霊だったし、ある程度知能が無いととっくに祓われてるでしょ｣
確かに。と言う風に頷く彼女を横目でみながら腕を観察する。
数えただけでも、現れている目玉は68個。百々目鬼と言う位だし多分本体の目玉は約100個。
100個全てが現れるまでのリミットはコレで逐一確認が出来るって寸法かな。
｢……｣
｢何か腕をずっと凝視されてると恥ずかしいんですけど｣
包帯越しでも感じられる凄まじい呪力。今迄何で気付かなかったのか分からないレベルだ。
いや、彼女が店で出した殺気と共にあった《視線》。
今思えばアレは百々目鬼の呪力が彼女の感情によって少なからず漏れ出ていたのだろう。
となればそれまで、僕が気づかなかったのは…
｢あの包帯、何か特別なもの？｣
｢無視かい……昔後輩に腕に怪我してるって嘘ついた事あって、そん時に洗い替え出来る包帯とか言って貰ったの使ってる｣
後輩、か。呪術師の類いだろうな。
意図的に近付いたか、若しくは偶然一般社会に戻った際に彼女の呪力に気付いたか。
いや、何方にせよ僕にとっては嬉しい誤算。
こんな強い呪力が溢れ出てたら上層部が直ぐに気付くだろうし、
直ぐに呪術師が派遣されて彼女の命も危なかったかもしれない。
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数学(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます!!すぐに直させて頂きますm(*_ _)m (2021年3月1日 8時) (
レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 26ペン 七海健人 ではなく 七海建人 です。 (2021年3月1日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
数学(プロフ) - shinox2さん» 全然大丈夫ですよ〜!!また読めない漢字等ありましたら何時でも質問して下さいね!! (2021年2月28日 16時) (レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - ありがとうございます。ちゃんと妖怪として存在したんですね。てっきりオリジナルかと思ってました。ググればよかったですね(^^; (2021年2月28日 14時) (レス) id: 947326f28f (このIDを非表示/違反報告)
数学(プロフ) - shinox2さん» わわ!!読んで頂きありがとうございます!!コレは百々目鬼(どどめき)と読みます!!目がめっちゃついてる妖怪ですね!!ちゃんと読み仮名を付けていなくてすみません(汗) (2021年2月24日 22時) (レス) id: 854f7b158c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：数学 | 作成日時：2020年12月26日 22時
