【オリジナル】それは、ささやかなる願い。【BL】 (ページ10)

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七頁～番-ﾂｶﾞｲ-２～ページ10

俺もいつか、番(つがい)をつくるのだろうか？

「はあぁー」

あらためて調べてみても、Ωの人生は本当にろくでもない。

αではないとは思っていたが、さすがにΩとは予想外だ。
覚悟なんてちっともしていなかった。

しかし取り乱すことも、荒(あ)れることさえなく、翌日平然とした顔で学校へ来れたのは、きっと腑(ふ)に落ちてしまったから。
こうして現実を突きつけられれば、ああなるほどと感じてしまったのだ。

もともと、俺の評価はあまりに過分(かぶん)なものだと思っていた。

手を抜(ぬ)いてたとか、そういうことはない。
俺なりに努力はしてるし、それなりの評価を貰(もら)えるようなことはしてきたつもりだ。

でも、それがいちいち大きすぎた。

俺はそんなに優(すぐ)れた人間じゃない。
ずっと、そう感じてきた。

ある意味、始めての肯定(こうてい)だったのかもしれない。

お前は優(すぐ)れた人間ではない。蔑(さげす)まれるべき劣等種(Ω)なのだと。

全く、皮肉(ひにく)なもんだ。

雪城の視線の先には、

『【雪城 A】様

あなたは検査の結果、
第二の性別が【Ω】であると判定されました。』

と、はっきり書かれた一枚の紙があった。

俺はこれから考えなければならない。

定(さだ)められた運命の中で、どの様に生きていくかを。