四頁〜運命の確定4〜 ページ7
結局その日は一日中、性別の話題で持ちきりだった。
あの人がαだったとか、あの子Ωらしいよとか。
あいつαって言ってたけど絶対嘘だよなとか。
やっぱり、俺βだったよとか。
今日××学校来てないんだけどもしかしてΩだったのかな、とか。
本当にいろいろと。
当然と言えば当然だ。
第二の性別を知ることはつまり、自分の“運命が確定”されたようなものなのだから。
放課後の帰り道も、平助との話題はやはり性別のことだった。
「まさかのβかー。αにしか見えねぇのになぁ」
「まだ言うか。てかお前、俺のこと買い被りすぎ」
いや、平助だけじゃない。
俺は自分のことをαだと思っていなかった。
なのに、中には気落ちしているのではと心配する同級生もいた。
αでなくても、どうということはない。
全く期待していなかったわけではないが、『ああ、やっぱりか』と思う程度だ。
「いや、だってAんとこの親ってどっちもαだろ。絶対αだって思うじゃん!」
結局親か。
親が優秀(α)なら、子供もそうであって当然。
いつだって周りは俺をそういう目で見ていた。
父の会社の人には特に、俺が成果を出せばさすが社長の息子だと言った。
俺の努力なんて無視して。さも、それが当然のように言ってのけた。
俺は俺、親は親なのにな。
「どうかした?」
「いや、何でもない」
「そっ?」
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作者名:フロース | 作成日時:2019年3月4日 19時