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〜はじめに3〜 ページ3
つまり、Ωにとってこの世界は、とても冷たいものであった。
Ωというだけで蔑(さげす)まれ、存在が否定された。
ある者はΩであることに絶望し、死を選んだ。
反対にαはそれだけで人に称賛(しょうさん)され、輝かしい人生を歩んでいく。
そんな不平等な世界。
しかし俺はこの世界を嫌うことができなかった。いや、それどころか愛おしいとさえ思ってしまった。
生まれた時から運命が定められ、それでもなお必死に抗(あらが)おうとする人々の姿が、俺は好きだった。
そう。俺たちが歩んできたこの人生は、ひどく醜(みにく)くも美しい。
さながら、これは第二の性別を巡(めぐ)る
【『希望』と『欲望』/『理性』と『本能』】
の物語とでも言っておこう。
――さあ、幕(まく)が上がる。物語を始めよう。
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作者名:フロース | 作成日時:2019年3月4日 19時