十五頁〜これは果たして恋なのか8〜 ページ20
あの場所は日溜(ひだ)まりのようだと思った。
でもそこには明確な境界線があって、お前にその場所はふさわしくないとでも言われだているような気分だった。
楽しげに笑い会う同級生。
知っているようで知らない平助の横顔。
彼がやけに眩(まぶ)しく、遠く感じて――。
「あれー? 雪城が忘れ物なんて珍(めずら)しいな」
「……うるさい」
悪いな南条。
俺は今、お前に構ってやる余裕なんざ一ミリもない。
平助への想いを恋だと自覚していた。
けれども恋をするなんて始めてだから、果たしてこれが恋なのか、俺には分からない。
でも、平助の隣(となり)は確かに心地よかったんだ。
それは紛れもない真実。
だけど、もしかしたら俺は――。
俺は平助と笑い会う友人に嫉妬(しっと)したわけではない。
平助が友人と笑い会う温かなあの空間を羨(うらや)んだ。
それを意味するのは一体何か。
一つの考えが頭をよぎる。
もしかしたら俺は、恋愛と友情を履(は)き違えているのではないだろうか。
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作者名:フロース | 作成日時:2019年3月4日 19時