検索窓
今日:6 hit、昨日:12 hit、合計:85,504 hit

十一頁〜これは果たして恋なのか4〜 ページ16

「うわぁ! ビックリしたあ。どっから生えてきたんだよ、お前」


俺の背後から、ニョキリという効果音が付きそうな登場をしてきたは平助だった。

何度も言うがここは平助のクラスではない。
何故(なぜ)お前はこうも馴染む。


「あっははっ、ごめんごめん。驚(おどろ)かせた?
邪魔(じゃま)しちゃ悪いと思って、タイミング見計らってただけなんだけど」


いや、確信犯だろ。
絶対分かっててやっただろ。


「はあー。ニヤニヤしながら言ったって、説得力ないだろ」

「まあ、まあ。細かいことは気にするなって!」


ほらな。
タイミングを見計らったのは本当だろうが、それは気を使ったのではなく、俺を驚(おどろ)かす為(ため)というのが大きいだろう。


「いやー。それにしても、相変わらず南条は台風みたいなやつだよなぁ」


平助は思い出したように、何気無く言った。
しかし俺としては、何やら聞き捨てならないもの含(ふく)まれている。


「はあ!? 待って、お前一体いつからソコにいたわけ?」

「んー。いつからだろうねぇ〜」


なにも気づかなかった俺も俺だがこいつ、そうとう前から潜(ひそ)んでやがる。







「ああ、そうそう。西川……だよな? さっき何をコソコソと話してたんだ?」

「ん? ああ。なんか、憧(あこが)れてたんだってさ」

「Aに?」

「うん」

「西川が?」

「いや、南条が」

「へ? 南条が」

「意外だろ?」

「意外って言うより、むしろ……」



途中、口を濁(にご)したかと思えばいつになく真剣な表情を見せる。

普段はヘラヘラと掴(つか)み所のない笑みばかりを浮かべているものだから、不気味でしょうがない。




「なあ、本当に『憧(あこが)れてた』って言ってたのか?」


「え? うん、まあ……?
んーと。確か、俺に憧(あこが)れてたから俺がβなのが悔(くや)しい……だったっけ。何かそんな感じの事言ってた、けど」


「……悔(くや)しい?」




ますます顔を固くする。一体何だって言うんだ。

十二頁〜これは果たして恋なのか5〜→←十頁〜これは果たして恋なのか3〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
75人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , BL , オメガバース   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フロース | 作成日時:2019年3月4日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。