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実況30 ページ30

「あ、あの?」



固まったままなので声をかけると、ハッとし顔を変えた。


「ほ、ほんものですか!会いたかったです!今日の楽しみで仕方なかったんです!」



キラッキラの笑顔で両手を握られ興奮したように鼻息を荒くしていた。

手を握られた衝撃でベンチに、座っていられなくなり立ち上がるも二人組はかなりのデカさだった。




「あ、ありがとうございます。楽しんで行ってくれたら幸いデス。」

「はいっ!やばいやばい、本物ちょーかわいいんだけど。」



手、ちっちゃいし。と言われ何故かグサリと刺さる。
小柄じゃなくて平均は欲しかったです。


そう思い、とほほ、と顔を暗くさせているとポケットに入れあったスマホが震える。






「っあ、えとじゃあもう行きますね。ありがとうございます。」


一言を残し、そそくさとその場を立ち去った。









「もしもし?」

「"んー、もう入り口付近には、きてんだけどどんな服着てる?"」


キヨが息を荒くしながら話す。
走ったのだろうか、乱れた呼吸である。




「マスクしてメガネしてる。ニット帽かぶってる。キヨは?」



「"髪茶色だし、背高い気がすっから見えると思うけど…あ。"」






あ。




携帯電話片手にキョロキョロと見回すキヨらしき人を発見。
きっと、彼だ。


その姿を見た途端、なんだかわかんないけど絶対にキヨだ、と思った。





「…見つけた。はじめまして、きよ。」


キヨに近づきながら、電話に声をかける。
すると、スマホからもキヨの声が聞こえる。スマホを当てていない耳からも、だ。



「んな、はじめまして。柳、さん。」





少し、よそよそしい感じの話し方にふっと笑ってしまう。



それにしても、高身長な彼は見上げなければ顔が見えないようだ。




「いつも通りで。わざわざ迎えに来てもらってごめんね?」

「いーってことよ。うっしーじゃなくてよかったのか?」




牛沢よりも、キヨがいい。


なんて、我儘は喉まで出かけたけどぐっと抑える。

牛沢よりも発信履歴が上だったから。
そうごまかした。



「ま、早く入ろうぜ。自己紹介とかしなくちゃだろ?」



少し強めに、腕を握られ歩く。
長袖だったから良かったもののちょっと痛い。








「…強引だな。」




聞こえないくらいの声で呟いた。

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霜田 - 誰も言ってないようだから言いますけど名前表記おかしいです。1度確認してから投稿とかできればそうして頂けると嬉しいです。 (2017年8月14日 17時) (レス) id: 34b277b443 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずぽんぬ | 作成日時:2017年4月2日 23時

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