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第7話:小魔力者 ページ9

教室に戻ると、私より後に呼び出されたはずのアイリスはすでに戻って来ていた。それだけ私の検査にかかった時間が長かったのであろう。


「ねぇ、ルーファスは?」


彼女が座っている椅子に腰掛けて、ルーファスのことを問うと彼女は不思議そうに首をかしげる。そうかと思えばいきなり顔を輝かせてから、検査の結果を聞いてくる。


「さっき呼び出されたばかりだよ。そうだ! オリヴィア、結果は?」

魔法使い(ソルシエール)になれたよ。アイリスはどうだった?」

「きゃあ!おめでとう、オリヴィア!
私はね、呪術師(アンシャンテ)だったの!」

「アイリスもおめでとう!あんなに呪術師になりたがってたもんね。」


ころころと表情を変えるアイリスに感心しながら会話を弾ませる。彼女の生まれたリーベ家はよく当たる占いと予知で有名な一家だ。そして彼女は両親と同じ呪術師に憧れていた。

そのことを知っていた私は、それが自分のことのように嬉しくて手を取り合って一緒に喜ぶ。

そして今ここにいないルーファスが生まれたオズバーン家もまた、3世代に続いて世の中に魔法使いを送り出している家系。彼の両親は保有魔力量4000の魔法使いだった。

魔力の量は大概が親から遺伝する。だから私もアイリスもルーファスのことを全く心配はしていなかった。


「はい、みんなお疲れ様!これですべての子の検査が終わりました!」


しばらく話していると、先生がルーファスを引き連れて戻ってきた。私は真っ先に彼のとこに駆けて行って、彼と喜びを共有したかったのだけれど、先生がそのまま話を続けているので大人しく聞く。

一斉魔力検査で晴れて新たな階級を得たみんなに対する賛辞を述べる先生。私はふと、先生の傍で、顔をうつむかせ続ける、様子のおかしいルーファスに気づく。彼の顔は青ざめていて、血の気が引いてしまっていた。


「ここで残念なお知らせがあります。さて、今から名前を呼んだ子は前に出てきて。」


まさか。と、そう思った。
ルーファスに限ってそんな。そんなことありえない。


「そして最後に、ルーファス・オズバーン。以上の12名は小魔力者に認定されました。皆さんとはここでお別れです。」


先生の言葉も、泣きじゃくる他の友達の声もだんだんと遠く、小さくなっていって、最後には目の前が暗くなった。

ルーファスは魔法使いの家系。きっと大丈夫だって、お父さんもお母さんも言ってたのに。一緒の学校に行けると思ってたのに。

第8話:思考の違い→←第6話:魔法使い



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えるふぃ(プロフ) - ゆいな♪さん» ゆいな♪さん、ストーリーをお褒め頂きありがとうございます(*´ω`*) 描写頑張った甲斐があります!これからもっともっと引き込んで行けるように頑張りますね!応援ありがとうございます! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - あわわ、す、すごいです!ストーリも分かりやすいので、凄い引き込まれます!更新頑張ってください! (2019年8月16日 13時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ぽむぽむぽあろさん» ぽむぽむぽあろさん、ありがとうございます!そんな風に褒めてくださって嬉しいです!読み手に情景が伝わるように書くのが目標だったので(*´ω`*) 夏休みに入ったら更新速度上げられるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむぽあろ(プロフ) - 設定がしっかりしてるので、お話の内容がアニメーションになって頭の中に浮かびます。とても面白くて好きです。もっと伸びてておかしくないと思うので更新頑張ってください! (2019年7月30日 12時) (レス) id: b97deb3170 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ちょこころねさん» ちょこころねさん、はじめまして!世界観とキャラの設定は一番力を入れたところなので、そこを褒められるとめっちゃ嬉しいです!文章長いのに一気読み、おつかれさまです!ちょこちょこ更新するのでよろしくお願いします! (2019年1月18日 10時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えるふぃ | 作成日時:2018年9月23日 21時

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