【魔法と学園モノ】〜理不尽な世界でも君と笑いたい〜

第4話：占いと予知 ページ6

次々と他の子達の名前が呼ばれて、別の部屋へと消えていく。検査機関から沢山の職員がこの幼稚園にやって来ているので、名前が呼ばれる感覚は短かった。


「オリヴィア・テイラーちゃんー！」


一人、また一人と数が減っていき、ついには私の番になる。両隣で不安げに見上げて来るアイリスとルーファスを安心させるように笑ってから、隣の教室に向かった。

大きな長机と椅子が用意されていて、その対面には白衣を着た男の人が座っていた。


「オリヴィアちゃんだね？ では、占いをやってみてくれる？」


検査機関の職員と思われる男性は、確認するように名前を読んだあと、紙とペンを取り出してから私に手渡す。


「うん……。お兄さんの名前と誕生日は？」


私はそれを受け取り、机の上に置いてから男性の顔を見て、問いかける。

占い、それはこの幼稚園に入園した誰もが最初に学ぶ技術。相手に必要事項を聞いてから、魔力(シャルム)を使って紙に書き出すことで、対象人物のことを占うことができる魔法(マジー)のことだ。

男性に質問を繰り返しながら、紙に書き出していき、最後に魔力を込めると紙に書かれた文字が宙を舞い、光を放ちながら形を変えていく。

再び紙に文字が収まるのを見届けてから、それを男性に渡した。


「できたよ。はい、これ。」

「うん！ よくできてる。
じゃあ次は、５分後に僕に起こることを予知してごらん？」

「……分かった、ちょっと待って。」


男性は私から受け取ったその紙に一通り目を通してから、嬉しそうに顔を上げた。私は占いの出来に安心して、次の男性の指示に従った。

次の指示は予知。これも特殊な魔法の一種だ。予知する対象の名前、見た目をしっかり頭に焼き付けてから、魔力を込めた手で対象の額に触れると未来が見えるというものだ。


「えっと……あっちから入ってきた先生に、火の魔法で攻撃されてる。先生はおにーさんに怒ってるみたい。」

「それは怖いな！なんで僕が先生に怒られるのかな？」


目をつぶって浮かんできた光景を男性に告げて目を開けると、彼は予知が外れると思ったようで笑っていた。


「私、先生綺麗だから好きなの。」

「えー、でもあの先生ちょっとふくよかじゃない？」


予知の結果を待つとき、暇だったので男性と時間を潰すために会話をする。するとがらりと扉が乱暴に開かれた。


「っ、酷い！私は標準体型です！」


急に現れた先生は鬼の形相で男性に向かって杖を向けていた。

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