第2話:この世界のしくみ ページ4
移動中、車の中から見える景色は何度見ても不思議だ。家を出た直後、道端を歩く人たちの姿は男性でも女性でも膝下まで隠れる丈の長いローブを着ていたり、黒をベースにしたスーツやドレスを着用し、頭に黒のとんがり帽子を被っていたりする。
そしてさらに車を走らせると、今度は服の左胸のところ様々なバッチを付けて歩いている人たちが見えてくる。それらの人は信号で止まった車の中から、外を見つめる私の姿に気付いた様で、深々とお辞儀をした。
大の大人が私の様な今年で6歳を迎えたばかりの子供にお辞儀をする不思議な光景。これを説明するためには、この世界の仕組みを説明しなければならない。
まず、第一にこの世界には
魔力はこの世界の人間のたった2割が体内に宿している力で、魔力の有無は生まれ落ちたその瞬間に、病院に常備された魔力を測る機械によって判明する。
そこで魔力を持っていると診断された者は
そして、この世界は魔力保持者が普通人を支配している世界、ということになる。魔力を持った者はあちらこちらで優遇され、国を動かす政治に携われるのは魔力保持者、それも魔力保持量の多い人間だけだ。
魔力の量によって就ける仕事も決まっていて、普通人が就ける仕事は限られた一部の仕事だけ。
しかも普通人が魔力保持者に逆らうことは法律で禁止されており、例えば普通人の大人が私に暴言を吐いただけで、その大人は牢に入れられてしまう。
そんなこんなで普通人にとってものすごく生きづらい世の中なのだが、私は運よく魔力保持者として生まれてきた。
正直私は魔力の有無で運命が決まってしまうこんな世の中に不満を持っているが、今はまだ大した権利をもっていない私じゃあ、どうすることもできない。
「オリヴィア様、頑張ってくださいね。」
「いつもどおりやってくる。」
執事が車から降りて扉をあけてくれる。彼は私の目を見てから微笑み、応援の言葉をかけてくれる。
何を頑張るのか、それは今から行われるある検査。
その結果によっては、私は人生のどん底を経験するかも知れないのだ。
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えるふぃ(プロフ) - ゆいな♪さん» ゆいな♪さん、ストーリーをお褒め頂きありがとうございます(*´ω`*) 描写頑張った甲斐があります!これからもっともっと引き込んで行けるように頑張りますね!応援ありがとうございます! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - あわわ、す、すごいです!ストーリも分かりやすいので、凄い引き込まれます!更新頑張ってください! (2019年8月16日 13時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ぽむぽむぽあろさん» ぽむぽむぽあろさん、ありがとうございます!そんな風に褒めてくださって嬉しいです!読み手に情景が伝わるように書くのが目標だったので(*´ω`*) 夏休みに入ったら更新速度上げられるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむぽあろ(プロフ) - 設定がしっかりしてるので、お話の内容がアニメーションになって頭の中に浮かびます。とても面白くて好きです。もっと伸びてておかしくないと思うので更新頑張ってください! (2019年7月30日 12時) (レス) id: b97deb3170 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ちょこころねさん» ちょこころねさん、はじめまして!世界観とキャラの設定は一番力を入れたところなので、そこを褒められるとめっちゃ嬉しいです!文章長いのに一気読み、おつかれさまです!ちょこちょこ更新するのでよろしくお願いします! (2019年1月18日 10時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2018年9月23日 21時