第24話:班分け ページ26
15分の休憩をはさんで迎えた3時間目の授業。内容は2時間目の授業の続きで、祈祷師の技術である厄払いについてのものだった。
この『厄払い』という魔法も、祈祷と同じく親身に相手のことを考え、その身に降りかかる不幸を払うという工程が必要であるため、アイリスは簡単にこなして見せたが、私の魔法は見るも無残な結果に終わる。
なかなか成功しない魔法に苦戦しながら3時間目の授業を終えると、クリス先生はみんなの注目を集めるため、パンと手を叩いて音を鳴らした。
「これからみんなお待ちかねの昼休みの時間です!」
みんなの視線が自身に向いたのを確認してから先生は説明を始めた。この学校の授業は午前中に3時間、そして1時間半の昼休みを挟んで午後からは2時間という風に行われるらしい。
昼食は学内にある食堂で食べられるらしく、魔法学校への入学金や授業料でさえも税金で賄われている、私ら魔力保持者はタダで利用できるらしい。
「私お腹ペコペコなの! オリヴィア、早くいきましょう!」
先生の話が終わるなり、喜びを前面に押し出したアイリスがやってくる。レオンやその取り巻きたちが何かいちゃもんをつけてくるよりも早く、彼女は私の手をぐいぐい食堂の方へ引っ張った。
食堂は全校生徒が集まったとしてもゆとりのある広さだった。床には絨毯が敷き詰められ、繊細な模様や燭台で飾られたテーブルが十分な間隔をあけながら配置されている。
食堂の広さや内装に圧倒されて立ち尽くしていると、優しそうなお姉さんがやってきて、食堂の使い方を教えてくれた。入り口で食べたいメニューを選び、それに対応するランチョンマットを持って席に着くと食事が運ばれてくるのだそう。私らはお姉さんにお礼を言って席に着いた。運ばれてきた食事はびっくりするくらい美味しかった。
昼食を取り終わってもまだ時間が余っていたので、道を覚えるために校内を散歩する。初等部周りを大体覚えたら、4時間目の準備をするのにちょうど良い時間になったので教室に戻る。しばらくしてチャイムが鳴り、クリス先生が教室に入ってくる。彼女は手元の資料と私らを見比べながら、4人ずつ名前を読み上げていく。
「イリンちゃん、キースくん、レオンくん、オリヴィアちゃん。
これから基礎魔法の授業は、今呼ばれた4人組でやっていきます!」
クリス先生から笑顔で告げられた言葉に、思わずレオンと顔を見合わせる。
私はさっそく、ここでの学校生活が嫌になった。
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えるふぃ(プロフ) - ゆいな♪さん» ゆいな♪さん、ストーリーをお褒め頂きありがとうございます(*´ω`*) 描写頑張った甲斐があります!これからもっともっと引き込んで行けるように頑張りますね!応援ありがとうございます! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - あわわ、す、すごいです!ストーリも分かりやすいので、凄い引き込まれます!更新頑張ってください! (2019年8月16日 13時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ぽむぽむぽあろさん» ぽむぽむぽあろさん、ありがとうございます!そんな風に褒めてくださって嬉しいです!読み手に情景が伝わるように書くのが目標だったので(*´ω`*) 夏休みに入ったら更新速度上げられるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむぽあろ(プロフ) - 設定がしっかりしてるので、お話の内容がアニメーションになって頭の中に浮かびます。とても面白くて好きです。もっと伸びてておかしくないと思うので更新頑張ってください! (2019年7月30日 12時) (レス) id: b97deb3170 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ちょこころねさん» ちょこころねさん、はじめまして!世界観とキャラの設定は一番力を入れたところなので、そこを褒められるとめっちゃ嬉しいです!文章長いのに一気読み、おつかれさまです!ちょこちょこ更新するのでよろしくお願いします! (2019年1月18日 10時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2018年9月23日 21時