第1話：１日の始まり ページ3
不快な音は一切しない、物静かな住宅街。周りの家々はどれもかなり大きく、一軒一軒に緑豊かな立派な庭が付いており、その様子からこの住宅街の格が伺える。
そんな高級住宅街とも言えるこの場所でも一際大きな豪邸に、私は住んでいた。
大人が２人が余裕で寝られるほどのベッドは私１人で使うには広すぎて１人で寝るのが寂しいから、私の周りには手触りのいい自然素材でできたぬいぐるみがたくさん置いてあった。天井の光を遮る、フリルがたくさんあしらわれた真っ白なレースの天幕を寝起きでぼーっとした頭で見上げていたら、コンコンと控えめに扉がノックされた。
「おはようございます、オリヴィア様。朝食の準備ができていますよ。」
一拍間を空けてから扉が開かれる。顔を覗かせたのは控えめな色のドレスを着て、髪の毛を清潔にまとめ上げた女性。
「ん、おはよー。着替えてから行くから待ってて。」
その女性とは私がもっと小さく、言葉も話せなかった頃からお世話をしてくれている乳母で、私は彼女のことが大好きだ。
私は基本、自分のことは自分でやりたいタチなので、着替えさせてくれようとする彼女を止めて自分で着替える。ただ、やはり彼女にもプライドがあるみたいで、私が着る服は何故かいつも事前に準備されていた。
部屋を出て、上等な赤い絨毯が敷き詰められた床を歩き、綺麗な装飾が施された手すりがある階段を降り、フリルたっぷりのドレスをきたメイドさんが重そうな大きな扉を開けてくれるのにお礼を言ってから中に入る。
「おはよう、オリヴィア。今日は随分とご機嫌ね。昨日はあんなに不安そうだったのに。」
「おはよう、お母さん。アイリスと話したら元気になったの。」
朝食を食べる時だけに使われる、少し小さめの食堂にはすでに身支度をしませたお母さんと、たった今新聞から顔を上げたお父さんの姿があった。
私は両親に朝の挨拶を済ませてから、侍女が引いてくれた椅子に座って朝食を食べ始める。
「リーベ家のお嬢さんとは仲良くやれているのかい？」
「もちろんだよお父さん。アイリスは親友だもん。」
朝食を食べ終え、苦いのが苦手な私のために甘めに入れられたコーヒーを口に運びながら、お父さんと会話する。
そして今日は頑張るのよ、と声をかけてくれたお母さんにお礼と意気込みを伝えてから、黒スーツに身を包んだ執事が運転してくれる車に乗り込んだ。
今日は運命を決める大事な日なのだ。
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えるふぃ(プロフ) - ゆいな♪さん» ゆいな♪さん、ストーリーをお褒め頂きありがとうございます(*´ω｀*) 描写頑張った甲斐があります！これからもっともっと引き込んで行けるように頑張りますね！応援ありがとうございます！ (2019年8月24日 23時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - あわわ、す、すごいです！ストーリも分かりやすいので、凄い引き込まれます！更新頑張ってください！ (2019年8月16日 13時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ぽむぽむぽあろさん» ぽむぽむぽあろさん、ありがとうございます！そんな風に褒めてくださって嬉しいです！読み手に情景が伝わるように書くのが目標だったので(*´ω｀*) 夏休みに入ったら更新速度上げられるように頑張ります！応援ありがとうございます！ (2019年7月30日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむぽあろ(プロフ) - 設定がしっかりしてるので、お話の内容がアニメーションになって頭の中に浮かびます。とても面白くて好きです。もっと伸びてておかしくないと思うので更新頑張ってください！ (2019年7月30日 12時) (レス) id: b97deb3170 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ちょこころねさん» ちょこころねさん、はじめまして！世界観とキャラの設定は一番力を入れたところなので、そこを褒められるとめっちゃ嬉しいです！文章長いのに一気読み、おつかれさまです！ちょこちょこ更新するのでよろしくお願いします！ (2019年1月18日 10時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2018年9月23日 21時
