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第12話:世界を変えちゃえ ページ14

家を飛び出してから随分時間が過ぎて、燦々と輝いていた太陽もすでに沈み、辺りは頼りない月明かりによって照らされていた。

私はあの後すぐ、両親が探しに来たりしないように人避けの魔法(マジー)を使っていた。これは人探しの魔法と対になる魔法で、人避けを使った人の魔力量が人探しを使った人よりも多ければ、まず見つかることはない。

私は遠目からでは見つけられないように、公園にある中が洞窟状になっている遊具の中に身を隠していた。


「オリヴィア、やっぱり!ここにいたのね。」


このまま誰も自分を知らない遠いところへ行ってしまおうかなんて考え出した時、誰かが遊具内に入ってくる物音とともに、聞き覚えのある声が聞こえて、ばっとそちらへ視線を向ける。そこにいたのはやっぱりアイリスで、自分の目を疑った。


「アイリス! ……どうして?人避けしてたのに。」

「テイラーおばさんからオリヴィアがいなくなったって聞いて、まさかと思って来て見たら大当たりだったわ。」


私を見てふにゃりと笑った彼女を見て、一昨日のことを思い出す。今だけじゃなく、不思議と彼女は私が一人で落ち込んでいる時、いつも目の前に現れてくれた。

そのまま彼女は私の隣に腰を下ろし、ぴたりと身体を寄せてから遊具に空いた穴から遠くを見つめた。
くっついて私を安心させるように、目線で話を急かさないように。


「……私の魔力ね、15000あるの。」


それから私はポツリポツリと今日のことを話し出した。

魔力量が判明した時の周囲の反応に、魔力量だけで価値を判断されているみたいで悲しくなったこと。家に帰るとお父さんにルーファスと関わるなと言われたこと。そのお父さんに自分の気持ちを全部吐き出してから家を飛び出してしまったこと。


「魔力があったって全然嬉しくない。……こんな力、欲しくなかったよ。」


そう弱音を吐いて、地面に視線を落とす。いつもは自分で全部抱え込むのに、アイリス相手なら不思議と話してしまえた。


「だったら、世界のトップになっちゃおうよ。」


えっ、と思わず声を漏らす。こちらに目を向けた彼女の顔はいたって真剣で、冗談などではないようだ。


「オリヴィアは魔力量で差別されるのが嫌なのでしょう?」


それから彼女は語った。世界が嫌なら変えてしまえばいい。あなたの魔力が多いのも、きっと神様が世界を変えるチャンスをくれたからなのよと。

考えてもいなかったことを言われ、時が止まったように感じた。

第13話:親友の決意→←第11話:親友との別れ



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えるふぃ(プロフ) - ゆいな♪さん» ゆいな♪さん、ストーリーをお褒め頂きありがとうございます(*´ω`*) 描写頑張った甲斐があります!これからもっともっと引き込んで行けるように頑張りますね!応援ありがとうございます! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - あわわ、す、すごいです!ストーリも分かりやすいので、凄い引き込まれます!更新頑張ってください! (2019年8月16日 13時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ぽむぽむぽあろさん» ぽむぽむぽあろさん、ありがとうございます!そんな風に褒めてくださって嬉しいです!読み手に情景が伝わるように書くのが目標だったので(*´ω`*) 夏休みに入ったら更新速度上げられるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむぽあろ(プロフ) - 設定がしっかりしてるので、お話の内容がアニメーションになって頭の中に浮かびます。とても面白くて好きです。もっと伸びてておかしくないと思うので更新頑張ってください! (2019年7月30日 12時) (レス) id: b97deb3170 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ちょこころねさん» ちょこころねさん、はじめまして!世界観とキャラの設定は一番力を入れたところなので、そこを褒められるとめっちゃ嬉しいです!文章長いのに一気読み、おつかれさまです!ちょこちょこ更新するのでよろしくお願いします! (2019年1月18日 10時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えるふぃ | 作成日時:2018年9月23日 21時

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