In the storm 6

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クラスの半分以上が参加した打ち上げ
俺は盛り上がる輪の中には入らないで端っこに座ってて

ここに君がいたら君はあの中心にいるんだろうな
なんて思いながら時計を見る
時間は19時前…





樹「、くと、、ほぉくと！」




北斗「なに」

樹「二件目、カラオケ行くって！」

北斗「いや…俺は」

樹「高校最後だよ！俺北斗と思い出作りてえよ〜」




3年間こんな俺と仲良くしてくれた樹
こいつがいなかったら俺は友達っていう友達もいなかったかもしれない


感謝してるし、俺だって樹と同じ気持ちは少なからずある



けど…




風磨「北斗、食い過ぎて腹いてえんだって」

北斗「っは？！」

樹「なに北斗、タダ飯だからって欲張ったの」



声のでかい樹のその言葉を聞いた担任が財布を握り締めながらこっちを睨んでる
ちがうんだよ先生これは言いがかりだ
弁明でもしようか、と俺が言葉を発するその前に



樹「体調悪いんなら仕方ないね」



そう言って樹はあっさり俺の元からまた盛り上がるクラスメイトの方へ去っていく
俺の隣にいるやつはニヤニヤと笑って楽しそうだ




風磨「言っただろ〜味方だって」

北斗「もっといい言い訳あっただろ」

風磨「そう？俺にはこれしか思いつかなかったわ。じゃ、俺も美声を披露してくっか〜」



風磨は立ち上がって樹の後を追う

味方なのかなんなのかわかんないけど、風磨が俺のためにしてくれた事に変わりない


分かりづれえよ、けどありがとうね



時間は19時を過ぎたところ
この時間ならまだ迷惑じゃないよな…





思い立ったが吉日というところか


カラオケに向かうクラスメイトに一言断りを入れて、逆方向の駅へと歩いた




平然を装おうと音楽を聴いて電車に揺られる
君の最寄り駅まで数十分後
駅前に着いてスマホを取り出してメッセージを送った




すぐにはつかない既読


まだ病院かな





30分…だけ待っていよう





そう決めて、駅前のカフェには入る





5分…10分…20分…


30分なんてあっという間に過ぎていく



これで最後、もう一度スマホを取り出して
メッセージは開かずに電話をかける

2コールくらい鳴ったところで聴こえてきた君の声になんだかホッとした



俺からの突然の電話に、電話の向こうで焦ってる君は日本語がめちゃくちゃでおかしくて思わず笑ってしまう
君の明るさにさっきまでの重かった気分が一瞬で軽くなる



北斗「今から出てこれる？」




そんな君に、今すぐ会いたいんだ






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