In the storm 6

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「私、ジュース買ってくる」

大我「俺のも〜」

樹「俺のも〜」


黙っていけばよかった…大我の隣にいつのまにか座っていた樹も便乗してくる

「女の子パシリに使う？」

樹「俺障害物終わったばっかで疲れた。しかも小麦粉のせいで口の中パサパサなんだけど。無理。動けない」

大我「俺も応援のしすぎでお尻に根っこ生えちゃった。動けない」

「風魔〜なんとか言ってよ」

風磨「千円やるから皆の買ってきて。今のこいつら何言っても今無駄でしょ」

「えーいいの？ありがと♡ふぅまお兄たん」

風磨「きっっっも！」


傷つく一言と引き換えに手渡された千円札
流石にキモいは酷いんじゃない？
まあでも風磨のおごりだし機嫌はいい


自分を含め4人分のジュースを買いに自販機に向かうと、なんだかデジャブな光景が目に入る




「どうしてこう私ってタイミング悪いの」




ルンルンで向かった足取りもピタッと止まる



そこには文化祭で見た光景と同じ
自販機の前には北斗、そしてあの女の子



私が北斗の隣にいなかった間何度も見たその2人の姿は、何度見たって私の心を暗くする





気まずっ



っていうかさ

北斗、人のこと人たらしだなんて言ったけど自分はどうなの！


あ、なんか腹立ってきた！！



抜け出してコンビニまで行っちゃうか！
先生達も競技に夢中だしちょっと抜けたってバレやしない
手に握られてるのはちょっと多めの千円札
よし、お菓子も一緒に買っちゃうか




…風磨の千円だけど






その場を去ろうとクルッと反転して
少し早足でコンビニに向かう

なんのお菓子買おうか、そんなことで気を紛らわせてみる








だけど掴まれた腕




北斗「…A」



振り返るとそこにはさっき見た北斗の姿

少し息切れしている北斗…走ってきたのかな



「な、なに？」


なんで追いかけてきたの
あの女の子は？


北斗「どこ行くの？」

「コンビニ」

北斗「体育祭中だぞ？」

「おつかい、頼まれた」


掴まれた腕と反対側の手には力が入り過ぎてくしゃくしゃなった千円札


北斗「俺も行く」

「一人で行けるし…」

北斗「俺が行きたいの」


それはコンビニに？
それとも私と、一緒に？


北斗「ほら、行くよ」


掴まれたままの腕が少し痛いのに、離して欲しくないなんて思ってしまうのは独占欲なのかな


あの女の子のところより私のところへ来てくれたこと嬉しく思ってしまう私は最低で





私、いつからこんな嫌な人間になっちゃったんだろ




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