In the storm 4

160 Hokuto side ページ10

Hokuto side









萩谷「北斗、時計見過ぎ」









萩谷「そんなに気になるんだったら、引き止めたら良かったのに」






俺に引き止める権利なんて1ミリもないし
カッコつけた手前ただ待ち続けるしかなくて




萩谷「北斗って器用そうにみえて、案外不器用」




俺だって、１人の女の子にこんなにも振り回されるなんて思ってなかったよ






樹「ねえ八つ橋食わねえ？」


萩谷「昨日からどんだけ食べてんの」


北斗「お前は平和だわ」


樹「何？俺褒められてんの？」


萩谷「瞳ちゃんは？」



樹「彼氏と抜け出しましたぁ〜！リア充！」



萩谷「樹はモテそうなのに、彼女いないんだね」




樹「…俺はいいの」





少し間があいて返事をする樹に


平和だ、なんて言ったけどさ



Aのようにいつも笑ってる樹にも
きっと色々あるんだろう






誰にだって





人には言えない悩みとか、葛藤とか


色々抱えてて



乗り越えたり、挫折したり




そうやって大人んなってくんだろう






今日の俺はどっち？



挫折を味わうのか、また乗り越えるべき壁が現れるのか。






樹「でも京都って美人多いね♡

あそこにも着物美人が…ってA？」




樹が指差す方には
艶やかな着物を着ている君がいて





着物のせいなのか少し大人びて見える君に

少しだけ胸が高鳴った




それと同時に


隣に立つ京本を見て胸が痛む






萩谷「どうしたのそれ？」



「レンタルした！」


大我「カップルプランだと安かったの」




カップルプラン…ね




聞こえるか聞こえないか



心の声が漏れる





痛んだ胸が更に痛くなって



あぁ、そういう結果になったわけ？



なんてドス黒い気持ちが流れてくる






「２人で借りに行ったらそのプラン勧められただけだし！」




そんな京本に必死で否定する君がいて



大我「そこまで否定するぅ？」


「あのね、人の噂って怖いんだから！」





こんな２人のやりとりをみて
どっちなんだよ、とモヤモヤする俺は
情けなくてかっこ悪い




「せっかくだからみんなで写真撮ろうと思って！
ジェシーと慎太郎と高地君も呼び出そうよ」







樹「じゃあ風磨のカメラで撮ってもらお！」





俺の気持ちを知らない君は




「北斗、皆で撮ろ！」




なんて俺の腕を取るから



痛かったり、高なったり
俺の心臓は忙しくって


このまま止まってしまうんじゃないか




俺の乗り越える壁って君自身だったりするんだ





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