In the storm 4

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手を数ミリ動かせば触れてしまう距離
私は大我に背中を向けているけど
大我はこっちを向いているみたいで
少しだけ髪にかかる吐息





こんなの、寝れるはずない…






相変わらず大我は何も言おうとしなくて
自分の部屋なのに、大我が部屋に入ってきてから
ずっとずっと落ち着かない






やっぱりいつも大我のペースになってしまう







悔しいけど

そんな大我が好きだったりするんだ








大我「寝ちゃった？」




数ミリの距離


大我の優しい声が聞こえて一気に体温が上昇する




すぐに返事をすることを逃した私は、起きてる事を伝えるタイミングが無くなってしまった



このまま何もなかったかのように朝が来ちゃえばきっと明日は普通に過ごせるはず
きっと次に目を開けた時は朝だよね




そう願ってぎゅっと目をつぶる







だけど






軽く引き寄せられた身体



後ろから抱きつかれて
頭の下には大我の腕があって



いわゆる腕枕







数ミリあった距離はゼロ






大我とのこんな距離は初めてで
触れる全てが熱くって
背中を向けている事だけが唯一の救い




狸寝入りってバレないように
ぎゅっとぎゅっと目をつぶると
大我は優しく髪に触れて軽く何度もキスをした






聞こえるリップ音がくすぐったい






もうダメ、限界






「た、たいが…？」



寝返りをうって大我の方を向くと
暗闇で慣れた目に月みたいに綺麗な大我の顔が写る





大我「起きてんじゃん」



「今起きた」



大我「嘘つくな、バレバレ」





そう大我が優しく微笑む



腕枕をする大我の顔は私より少し上の位置にあって
ふふって笑うと今度は私のおデコに息がかかって
寝返りをうったせいで余計にくすぐったい





「ねえたいが、はずかしい」






大我「自分で煽ったくせに」






なんだわかってんじゃん




そう言われると身もふたもないんだけど


わかっててこんなことする大我はずるい




「早く寝ないとサンタさん来ないよ」




サンタさんなんて信じてないけど
冗談でも言ってないと恥ずかしくて
上がる熱がとめられない



なのに大我は








大我「サンタさんなんて来なくていい。だからクリスマスプレゼント、Aの体温をちょうだいよ」








そういってまた抱き寄せる







大我の熱に侵されて
私の熱と混じって溶けてしまいそうだ





早く朝が来てほしいのに

もう少しこのままでいたいなんて




矛盾する気持ちが交差するんだ






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