In the storm 4

172 Kouchi side ページ22

Kouchi side









教室に戻ってきてから
ずっとあからさまに態度がおかしいのは

きっとあの子のせいなんだろう









高地「大我、帰ろうぜ」








俺、樹、大我


地元が同じ
昔からの腐れ縁
なにかとずっと一緒

樹と違うのは帰宅部ってこと


樹が部活の日は大体２人で帰るのが俺らの日常






眠そうな目をこする大我の机の前に立つと
ずっと寝てたのか顔に机の跡がついて
白い肌が赤くなっていた





大我「んー…ねえ高地、今日暇？」








女顔負けの綺麗な顔


目の前に立つ俺に大我は座ったままで

上目遣いで俺を誘う








高地「誘い方が気持ち悪いから暇じゃなくなった」


大我「ひどい」









なんてね




北斗や樹がAちゃんに甘い様に

何だかんだ俺も大我には甘いみたい








傍観者の俺





誰の味方とかそんなんじゃないけど








悩んでる友達が頼ってきたら
そりゃ助けてやりたいじゃん








小さなカフェに男２人


飲み物だけ頼んで一息ついた







大我「高地、聞いて欲しいんだけどさ。
あの、びっくりしないでね」


高地「なに？改まって」






さっきからなんなんだ本当気持ち悪いな






その一言は言わずに飲み込んだ








大我「俺ね…Aの事好きなんだ」









高地「へぇ」









何を改まって言うのかと思えば








びっくりも何も



どこからどうみたってそうでしかないだろ









樹が初めて俺たちにAちゃんを紹介した時


北斗がAちゃんと隣の席になった時


その２人が図書室で勉強してた時









俺はずっと大我の隣でその様子を見ていたわけで







大我「へぇ…って！もっと興味持てよ！」







高地「なあ、びっくりするなよ？」








大我「え…なに？」









高地「ずっと前から知ってた」









大我「！！！！！！！！」









Aちゃんを見るお前の目が

いろんな感情を持っていた事を







それは切なかったり、優しかったり


色んな目をしていて








俺が気づいてた事
気づいてない大我は


本当にAちゃんの事しか見えてなくて






一途なお前を応援してやりたいな






そう思っていたから







相談してくれた事が嬉しい







ほんの少しだけ、ね








面倒ごとに巻き込まれるの勘弁だろ？






え？
もう巻き込まれてる？






そこだけは気づかないふりしてもいいよな









.

173→←171 Your side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す