〜出会い(3)〜 ページ3
「ここは俺達の遊び場で、ただの空き家だ。何日いても問題ないぞ。なぁ木々!ミツヒデ!クレア!」
ゼンは、いきいきとした顔でそう言えばミツヒデの顔は渋っていた。
「そうだけど…ゼンそんな自分勝手に事を決め…「ほらな!?」」
「とりあえず、中に入ろうか」
木々は止めても無駄な事が分かっていたようでクレアが、空き家に入っていく背を見ている。
『木々、早く!』
「はいはい。とりあえず、中に入ろうか」
木々に促され中に入ると、白雪はゼンの手の治療を施す為、ソファに並んで座る。
「だから!私の家出の理由なんて、ゼンが知っても面白くないって言ってるんだよ」
「だ・か・らー、教えてくれないのが面白くないって言ってるんだよ白雪。そんなに邪険にしないでもほらこうして包帯巻き合う仲だろう」
ははは、お揃い?と巻いて貰っている包帯を見て言えば、冷たい視線をゼンへと送る白雪。
「…………」
「笑えよ、おい」
「木々さん、ミツヒデさん、それにえっと…クレアさん!私、少し散歩に行ってきますね」
チェスをするミツヒデと木々、それを見ながら何か食べているクレアへと声を掛ける。
「はいはーい」
「三人にばっかりなつきやがる…」
「で、なんでついてくるのゼン」
「怪我した娘を一人で森に出すなんて紳士の名折れだからな。こんな嫌がらせを受けてもな」
中途半端に巻かれた包帯を見せつけると、白雪は綺麗に包帯を巻き直しながら、クレアを思い出していた。
「悪いな」
突然、謝罪してきたゼンにえ?と首を傾げる。
「クレアはな、少し警戒心が強くてな。外で会う初対面の人間には少し冷たくてな」
「そうなんだ。私も仲良くしてもらえるかな」
どうだろうな、と言っておけば白雪は森を見渡しながら街中とは違って居心地が良いなと呟くのでそれに素直に同意すれば
「今のは素直だね?」
「!」
不意にそう微笑まれたゼンは、ほんのり頬を赤くする。
「痛っ!?」
「あー、髪が木にひっかかったのか…なんか一束だけ長い髪があるぞ?」
「え?」
「あ、家出る時切り損ねたんだきっと…ごめんゼン切っちゃってくれないかな、とれない…」
「は?いやいや!女の髪を切るなんて俺にはとても!」
わざとらしく顎に手をかけて、訳を聞き出そうとする。
「長い髪を捨てたのは家を出たのと、何か関係が?訳を聞かせて貰えれば手助けも出来るんだが…」
「…あなたって人は」
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時