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   〜誘拐された赤髪(2)〜 ページ12

少し息を切らしたゼンは二人に気けば、すぐに辺りを見回して、こそこそとしだす。


「お邪魔します(あれ?居ないな…)」


そう微笑んでからいつもいる二人が居ないことに不思議に思う白雪。


「ゼン、今日は木々さんとミツヒデさんは…」

「しっ」

『しー』



口元に指を置いて静かにと言うクレアの表情は、ひどく楽しげに見えた。



「今、あいつらを撒いてきたんだよ」

「は?」



壁に身を潜めるゼンに白雪は疑問を隠せない。クレアは楽しそうに白雪の横にいる。




「ちょっとした運動だ。執務続きで体が鈍ってもいかんからな」

「つまり執務が続いてる中、脱走してきた?」

「まぁな」

「暫く顔を見れてなかったし、少し時間をくれるよう文句を言うつもりだったが…」



ゼンの肩には何故か葉がついていて、なぜ葉っぱが…とそれを摘まんで取り除いてやる。




「じゃあ、クレアさんも…」

『あたしは終わらせてきたよ、自分の分はね』

「すごく意外です」



よく言われるとクレアは、くすりと笑う。



「暫く顔も見れてなかったし、少し時間をくれるよう文句を言うつもりだったが…なんだ、会えたな白雪。…とは言え」

「ん?」

「窮屈か、これは…客間か庭にでも…」

『バレてるよ?教えたし』

「え…?」



当たり前のように答えるクレアにゼンは、耳を疑う。



「あ、ミツヒデさん!木々さん!」



驚くゼンを他所に白雪が二人の存在に喜ぶ。



「裏切ったなクレア…お前…」

『賄賂貰ってないしね』

「もらってたら、秘密にしてたんですかクレアさん…」

『それはどうだろ』



くすくすと笑うクレアに白雪は苦笑した。



「やー、白雪。おはようー何を舌打ちしてるんだゼン!?」

「早いなミツヒデ。もう追いついて来たのか。よし次は、お前が逃げる番な!」

「うわっ、追い払おうとしてるぞ木々!」

「珍しいね、白雪来てたんだ」



追い払われようとしているミツヒデを無視した木々は、白雪へと話し掛ける。



「はい、今日これから町の外にでるんですけど…そういう時は声かけろって前にゼンが、言ってたなぁと思って…」

「何!?当日に言うなよ!どこ!?」



壁に頭をつけて項垂れるミツヒデの脇腹をつついてから、クレアはそれはまた急だねと白雪を見る。




「コトの山の辺りまで船で日帰り」

「海下った先の街か」



知らせにわざわざ来てくれるなんて、ほんといい子だよね、と復活したミツヒデに言えば本当にな、と目を細めた。






.

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 従者   
作品ジャンル:ファンタジー
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時

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