ハロウィーン05 ページ5
セレナは、隣でハーマイオニーと戯れるカーネリアンを微笑ましくみながら手紙を開いた。
薄いグリーンの便箋には《S・S》と記されており、セレナは慌てて壇上に目を向けた。
セブルスとチラリと目が合うと、彼は小さく微笑んだ。
ぶわっと幸せな気持ちが高揚する。
父上からの手紙だと分かるとニヤつく表情が抑えられなかったが、手紙の内容を目で読んでいると、そこには誕生日おめでとうの文字とプレゼントは後日に渡すということ、そしてクィディッチの練習と宿題の日々に体調を崩さないようにと心配する、義父の優しさが滲み出ていた。
「誰からだったの？」
「父上から。優しいでしょ？私の父上」
ニヤつく顔を抑えることをやめたセレナにハーマイオニーは少し引きながらも、先程と打って変わってテンションの高い彼女が珍しく、その原因となった手紙に興味があるようだ。
セレナに手紙を差し出され、その手紙を読む。
「セレナ、今日誕生日だったの！？」
ハーマイオニーの驚愕する声が大広間中に響き渡った。
彼女の言葉にチラホラと反応する人がいて、セレナはもちろん、ハーマイオニーも自分の声が思った以上に響いたため顔を真っ赤にして俯いた。
「びっくりしたよ、ハーマイオニー」
「ごめんなさい。でも私だって驚いたわ？貴女なんで言ってくれなかったの？」
詰め寄るハーマイオニーに困ったセレナは、頬をポリポリとかいた。
「自分から、今日誕生日なんだって言うの恥ずかしくない？」
「もっと他に言うタイミングあったでしょ？ラベンダーたちと星座占い話してる時とか」
「お互い、占いに興味なかったでしょ？」
セレナの回答の的確さに、ハーマイオニーはぐうの音も出なかった。この時だけは、彼女のレスポンスの良さを恨めしく感じる。
ハーマイオニーは手紙を返すと、じとりとセレナを睨んだ。
「休暇で家に帰った時、絶対プレゼント買ってくるわ」
「別にいいのに。でも、ありがとう」
プレゼントを渡すことに信念すら感じるハーマイオニーに、セレナは苦笑しありがたく好意を受け取ることにした。
セブルスからの手紙をポケットに仕舞い、もう一枚の手紙に目を向ける。
もう一枚の手紙には、白と赤の百合が小さく端っこに描かれていた。
この手紙...見たことある。
セレナは何故かこの手紙に対し、どこか恐怖を感じていた。
この...手紙を見たのは......。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レン(プロフ) - pecoさん» pecoさん、コメントありがとうございます！夢主ちゃんには暗躍してもらって笑この長年続く因縁に決着つけて頂きますので、これからも夢主共々この作品をよろしくお願いします (2022年11月21日 20時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
peco(プロフ) - マルフォイ可愛いくて大好きです！夢主ちゃんにはぜひスリザリンとの溝脇を埋めて欲しいです！更新楽しみにしてます！ (2022年11月21日 19時) (レス) @page40 id: 513ec929f7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - チーズバーガーをチーズぬきで！？さん» コメントありがとうございます(*^^*)更新遅めですが、楽しんで頂けたらと思います！これからもよろしくお願いします！ (2022年10月13日 21時) (レス) id: b7c954aa2e (このIDを非表示/違反報告)
チーズバーガーをチーズぬきで！？ - セブルスが親だったら確かに厳しく育てられそうなイメージがあります。あっ、最近見始めました。ハリー大好きなので、ハリー落ち嬉しいです！今後の展開、ワクワクします(*^O^*) (2022年10月13日 18時) (レス) id: 658ba4281a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レン | 作成日時：2022年9月4日 21時
