中原の覇王 part4 (ページ5)

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121話ページ5

文「大王様。過ぎたことを、いつまでも悔いても始まりませぬ。今は前を見て堂々とすべきです」

政「ああ…」

信「でもよ…麗だけは、俺達で奪い返したぜ…！」

政は麗と再会する

政「待てよ…まさかその傷は…！」

信「ああ。その時のだ」

愕然とする政に、麗が無邪気に話しかける

麗「ちちうえー？」

それが、政の琴線に触れてしまう

政「…！貴様のせいで…！偉大な友までも失う所だったではないか！！」

政が麗を斬りつけようとするが、信に止められ、殴り飛ばされる

政「何をする！？」

信「それはこっちのセリフだ！お前…今自分の娘を斬ろうとしてたんだぞ！」

政「子供は、側室さえ増やせばいくらでも産める！10人でも20人でもな…！だが、お前はこの世に一人しかいないのだ！」

信「バカなこと言ってんじゃねえ！麗も扶蘇も、お前の血を分けた子供だ！実子を捨てようとする奴に、他の人間が付き従うとでも思ってんのか！？それでも、子を蔑ろにするなら…俺はもう戦にでねぇし、恩賞も全て返して、秦から去る！」

政は信の言葉で、自身が傲慢であった事に気付く

政「…昌文君。俺は王として…親として許されぬ事をした。俺を木の棒で何発か打ってくれ！手加減は許さぬ！」

文「だ、大王様…！儂に…そんな事は…」

瘣「なら、私が代理で」

政「え？」

羌瘣が昌文君に代わって、政を打ち据えた

貂「ゴメンな。お前の父ちゃんは今、気が立ってるんだ。もう少ししたら、優しい父ちゃんに戻るからな！」

麗「うん！」

政の手当てが終わった頃、渕が何かに気付く

渕「皆さん！木に文字が…！」

政と信はその場所に行き、木の近くで、灯りを灯す

すると、このように書かれてあった

"秦王この樹下に死せん(この木の下で秦王は死ぬ)"

文字を読むと同時に、近くの篝火が一斉に点灯し、矢が近くに刺さる

政「これは…！？」

嘲るような笑い声と共に、趙玲率いる趙軍2万が姿を現した

彼女達は李牧の頼みを受け、ここで伏兵として待ち構えていたのだ

玲「フフフ。木に書かれてあった事…分かりましたか？…秦王様」

信「マジ…かよ…」
貂「ここまで読まれてたなんて…」
瘣「三大天…趙玲…！」

政「退路を読むか…！」

玲「御名答。超大国の王となりながら、虎狼の如く、他国を食い荒らす…その罰を与えてあげましょう」

伏兵が迫ろうとする

玲「さぁ！あの男こそ中華を滅茶苦茶にした元凶…護衛共々皆殺しよ！」

満身創痍の飛信隊と政に、趙軍が襲いかかった