キャンパス [ O.S ] (ページ13)

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危機ページ13

タクシーの中では会話はほとんどなかったけど大野さんの独特な雰囲気のおかげなのか、全く気まずくなかった。

むしろ、気持ちよかった。

ちょっとウトウトしてたら、マンションの前まであっという間に着いて

タクシーを降りる

智｢気をつけてね？｣と言われたので

｢はい、ありがとうございました。｣とお礼を言って別れる

タクシーを見送って、方向転換して後ろをむく

むくと・・・・・

｢Aちゃーん｣

全身に鳥肌が一気に立つ。ふわふわしてた頭も一気にクリアになる。

忘れてた恐怖も蘇る。

ずんずんと私に向かってくるその男性

後ずさって逃げようとする私

でも、恐怖と酔いがまわってる体で上手く動けない。声もでない。

｢つっかまえたー♪｣

右腕をパシッと掴まれる。

｢ゃっ・・・・｣

｢じゃあ、いこっか？｣

グイグイと強引に引かれる腕

抵抗するけど男の人の力に勝てるわけでもなく

マンションと反対の方向へ引っ張られたその時

｢カシャッ｣

鳴り響く電子音。

えっ？と思って顔をあげる

と・・・・

深く帽子を被った・・・・・・大野さん！

何も言えずにただ唖然としている私

大野さんは、男のことをじっと見据えて

智｢嫌がってるでしょ。離してあげなよ｣

｢は？いや、別に俺何もして｣

｢離さないんなら、警察だすよ？｣

と、食い気味に言い放った

それに怯んだのか

その男は、私の腕を離し、去っていった。