10:殺傷能力と犠牲 ページ11
夜、国家機密本部陸軍の本拠地にある女が呼び出されていた。
『どうしましたか、大将。何か不都合でも。』
分厚い重厚感のあるドアを開け一番目に入ったものは銃を分解している男。上司である大将の姿だった。
「やめて下さいよ。白々しいです。」
大将の見ているものは銃の筈だがなんだかAを射止めているように思えた。
『あぁ、そう言えば大将って、政府とか審神者。嫌いでしたよね。』
「《刀剣男士》もです。」
思い出したと言うように発言するAにあっさりと切り返した大将。彼は無表情だった。23歳と若くして軍のトップについた大将はただ無で任務をこなす。勿論それが殺しの任務でも。感情がないなんて何回も言われてきた。心を許せる相棒なんてものも居ない。彼一人で十分だから。
「この任務が政府から来たとき。大事な大事な俺の部下を刀剣男士のところにやらせてはいけない。そう思ったから貴方にしたのに。貴方も私と同じように、
政府も、審神者も、刀剣男士も嫌っているから。」
銃の分解がいつのまにか終わったのかもう組み立てに入っており、弾丸を仕込めていた。
彼の愛用は《プファイファー・ツェリスカ》。
片手でも使える拳銃だ。象の頭蓋骨を割ることができるほどに殺傷能力の高い銃。それは、銃を撃つ側にも命の危険性がある道具だった。威力が凄まじい為、撃つ側の安全性は計算されておらず、拳銃というには大きさも重量も桁外れだ。
一発、一発。カシャリと響く音は彼の憎悪なのかなんなのか。
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蛍光灯(プロフ) - 瑠璃色さん» こんにちは!コメントありがとうございます!そんな事を言っていただけて嬉しい限りです(^ ^)私はシリアスが苦手なんですが、今回は何故か書きたい衝動に駆られ執筆しました。あまり本編ではまだ甘く出来なさそうなので番外編で書きたいです。更新頑張ります! (2018年3月27日 10時) (レス) id: f643b19803 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色 - 初めまして!いち兄を推している瑠璃色です!この作品はただの恋愛ものじゃなくてサスペンス要素が入っているのが読み応えがあって楽しいです!更新頑張って下さい!! (2018年3月27日 10時) (レス) id: 3757eb64a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛍光灯 | 作成日時:2018年3月25日 20時