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出会い ページ2

…その日は、王宮が所有している砂浜、所謂プライベートビーチを散歩していた。

城から階段が伸びているので、好きな時にいつでも砂浜に降りることができる。


この国の海は本当に波が穏やかで、見ていて心が安らぐ。

そういえば、いつも歴史を教えてくれる先生が、人魚が海を守っているという伝承が残っていると言っていた。

そのおかげか、漁師の方達の水難事故も起きたことがない。何とも、不思議な力に守られているのだろうか。



『はぁ〜、海風が気持ちいい。潮のいい匂いがするわ…』



暫く歩くと、船乗り場が見えてきた。

たまにお父様に時間がある時、船を出してもらって釣りに出かけたりすることがある。

最近は忙しいから、あまり会えていないけど。


今度はいつ海に出れるかな、そんな事を考えながら歩いて行く…、

……ん?



船乗り場に、何かいる。

何も着ていない上半身が見える。
でも、下半身は海の中に浸かっていて、赤っぽい鱗があって…半透明のヒレがある。

この特徴は…。



『……え…っ………人魚…?』



思わず口に出してしまった。

私の声が聞こえたのか、人魚は私の存在に気づきこちらを振り返った。

人魚と目があった。腹筋が引き締まっていることから、どうやら男性の人魚らしい。てっきり、人魚は女性しかいないものだと思っていた。

彼の瞳は、海のように青くて綺麗だ。

オレンジ色の髪には雫がついていて、太陽の光を反射してキラキラと光っており、とても神秘的に見えた。



『凄い…!本当にいたんだ!』



思わず人魚のもとへかけて行った。



『こんにちは、貴方はもしかして人魚さん?
初めまして、私の名前はA!会えて嬉しいわ』



膝をついて手を出し、握手を試みた。でも、警戒しているのか一定の距離を保ったまま、こちらを睨んでいる様子。



「…」

『驚かせてごめんね、怖がらないでもいいのよ。
貴方が海を守ってくれているの…?』

「……」



う〜ん…やっぱり何も話してくれない。

これ以上近づいてこようとしないので、手を降ろす。握手は無理そう。

それはそうか、ここ数百年の間、目撃情報が一件もないんだもの。
人間の私と話をするのも久しぶりで、緊張しているのかも知れない。


それにしても、本当にいたなんて。

会えたことがとても嬉しくて、思わず笑みが溢れた。

人間の女 中也side→←設定&イメージ画像


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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時

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