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私は彼女の手を握ったまま、頭の中でどうすれば良いかを考える。
これを使ってしまえば
この究極の二択を、私がどちらか選ばなければならない状況に息を飲む。
しかし、今はそんなこと言っていられない。目の前の助けられる人間を見捨ててしまえば、私は後々後悔する。トントンさんの時もそうだったじゃないか。
私はとりあえず、持ってきた止血剤を彼女に打とうとして注射器を取り出した。
｢何してんの…？はよ助けたってよ｣
｢…………ねぇ、｣
｢っ………、はい…｣
｢いいの………、｣
アンネスは、私が注射器を刺そうとした手を押し返した。
それはまるで全てを悟っているかのような目で、残り僅かの力で首を横に振る。
｢アンネスさん………もしかして、｣
｢貴方、がいるなら安心…と思って打ったわ……｣
彼女はちらりと横目でコネシマを見る。
そうか、彼女は全て分かった上で彼に注射器を刺したのだ。
私が解毒剤を持っていることを見越し、彼を助けることが出来ると予測して。
そして、コネシマが死んだと見せかけて出来た隙を狙ったのだ、彼女は。
私はやはり彼女を死なせたくない。
そう思うと目に涙が浮かんできて、止血剤を持つ手が震えた。
｢ねぇ、なにしてるん！？貸して！！！！｣
｢………オスマン様…、どうせ、私はもう、死んでましたから。…、いい、のです｣
｢せっかく生きとったのに、また死ぬん？また俺を____｣
｢尊敬……___………｣
彼は私から止血剤を奪って彼女に打とうとしたが、彼女はそれを拒否した。
正直に言うと、止血剤だけでは助からない。
私は涙を流しながらも、心の中で何度も彼女に謝った。
｢なぁ！！！助けられへんの！？！｣
｢………一応、手はあります｣
｢それをはよ言えや！やったら早く！！｣
｢それは、｣
｢__________っ………クソ……｣
彼の言葉に私は俯いて、ぐっと白衣を握る。
そんな私に彼はまた怒号をあげようとしたが、彼は一瞬何かを考え込んだあと、悔しそうに頭を掻きむしった。
頭の回る彼のことだから、私の本当の目的に気が付いたんだろう。
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あまね(プロフ) - 完結！おめでとうでふ！ (10月29日 11時) (
レス) @page27 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
パリラ - 凄いですね、、、もう本当に好き過ぎて一日で読み切りました！ (8月30日 10時) (レス) @page27 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖 - これめっちゃ前に見てそれからずっと探してたんですけどやっと見つけて徹夜で読みました、、！！スリルがあって何より菊さんが好きすぎて！！最高でした！！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年5月4日 4時) (レス) @page27 id: 1132857e69 (このIDを非表示/違反報告)
輝月(プロフ) - 久しぶりに占ツクに戻ってきたら好みの作品見つけて一気に読んでしまいました！これは今後がとっても気になります！素敵な小説をありがとうございます！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: 4cc550c3ab (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - みちゃくちゃ好きな作品！！！！完結？おめでとうございます！！オチ…みたいけどTwitterやってねぇ…！！ｸｿｩ…他の作品でも頑張って下さい… (2021年6月25日 22時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月23日 9時
