9 ページ10
.
｢論文発表会？｣
｢そ。西部各国が集まってやるってさ。うちからも2人、出席しなきゃなんだけど｣
ここの研究所にいる研究員は5人。つまり、5分の2がその発表会に出席することになる。
私は今薬を作ることに精一杯で論文を書いている暇などないので、出席は非常に避けたい。
やめてくれ、お願いします！の念で菊さんを見やると、ばっちり目が合ってにんまりと微笑まれた。
｢A、私と行こっか？｣
｢ハ！何故ですか！無理です！｣
｢息抜き息抜き！ずうっと薬作ってんだもん。男探しに行かない？｣
｢論文発表会にですか？気の難しそうなおっさんしかいないと思うんですが｣
軍に置ける男女の差は大きい。私達の国でも、女性が卑下されている。
そこまでとはいかないが、医療界でさえ女性というだけで白い目で見られる。だというのに、女子2人で発表会に出席しようとしているのだから、彼女は本当に気の強い女性である。
確かに休みはとれないし、ゆっくりする機会もなかったからその申し出は嬉し・・・くはない。
どうせ論文に時間を使うのならば薬を作った方がマシなのでは・・・・？
｢てことで！残ったメンツでAの仕事全部やってね。A、作戦会議｣
｢ちょ！ほんとに私ですか！？波坂さんお願いしますよ！｣
｢俺の浅い知識で国に泥塗る訳にはな〜。てことで頑張れよ｣
｢イヤー！見捨てないで！！｣
｢ようこそ、Ｙ国へ。長旅ご苦労様でございます｣
ああ、ついに地獄の時間がやってきたようだ。
馬車で何時間もかけて開催国へと向かった。
女2人だけということに少しだけ目を見開いていたが、即座に顔を作り笑みを貼り付けられる。
嫌味を言われるよりよっぽど良いと感心して、こちら側も挨拶をした。
｢どうもご丁寧にありがとうございます。O国から参りました、菊と申します。｣
｢Aです。｣
｢ご案内致します。どうぞ此方へ｣
すっと進む方向へ手を差し出し、先頭を歩きながら私達を城内へ案内する。
内装が自分達の国とは全く違い、あまりにも豪華すぎて思わず感嘆の声を漏らした。
足元、カーペット？すご・・・うちなんてボロボロの床なんですが
｢こちらが会場になります。開始までまだ時間がありますので、どうぞごゆっくり。御手洗はあちらです。｣
｢まあ、ありがとうございます｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1452人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宇琉夜ハル(プロフ) - 後 side ほしいです (2021年4月30日 19時) (
レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 後名前がわかったら zm｢あ｣ 見たいなん欲しいです (2021年4月30日 19時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 出来れば夢主のセリフ『』こうしてください 時間があればでいいんで (2021年4月30日 18時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 晴さん» それは良かったです！！ありがとうございます！めちゃくちゃ遅れましたが見てますよ！！！頑張ります！！！ (2021年2月21日 20時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 通りすがりの亀さん» 最初はその予定でしたが、主人公が後悔することのないようにヘイトを向けさせて上層部をクズに仕立てあげました(^^ ありがとうございます！頑張ります！！！ (2021年2月20日 21時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚
| 作成日時：2021年1月31日 9時
