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突然、ぐっと腕を後ろに引かれる。
背中が誰かの胸に当たったと思えば、右腕が首を締め上げるように回された。左手にはあの切れ味のナイフを持っていて、私の左頬に当てられている。
少しでも動けば切れてしまうだろう。
｢はっ、バカだったな！そいつはもしかして人質か？人選を間違えたな。そこの研究員の端くれなんかいないも同然なんだ。殺してくれて結構｣
｢……………それほんまに言うてんの？｣
ぐ、っと首をしめる腕の力が強くなる。
少し息苦しくなっただけで、決して死ぬことはないがそれでも苦しいことには変わりない。
まあ、そうだろうなと妥当の表情を浮かべる。
普段から態度の悪い彼のことを考えると、その答えが出るのは全然予想出来る。
彼が私のことを案じてくれる期待も抱いていなかったので、絶望の色を顔に出すこともなかった。
｢もう話す価値は無さそうやな。シャオロン、そいつ殺してええよ｣
｢おう。任しとけ｣
｢ヒッ……！や、やめろ…！なんでウチなんだ…、なんでなんでお前らがァ……！！ぐあっ！｣
｢…ハァ、とんだ茶番やったな。俺はもう馬車戻ってるで｣
｢おん｣
｢お前はこっち｣
首元の腕の力を緩められたかと思えば、ぐっと逆方向に私の腕を引かれた。
後ろから司令官の悲痛な叫び声と、シャベルを振りかざす度に出る惨い疑音が聞こえる。
大広間を出て、廊下に再び戻ってくる。
｢……………あのジジイ、死ぬ程屑やな｣
｢でしょう。一国の数少ない研究者を容赦なく差し出すんですから、正直殺されて清々しました｣
｢そら良かった。で、今から俺らん国帰る予定やから、手錠かけさして貰うで｣
万が一な。と一言いってから手錠をかける。
何も悪いことをしていないのに手錠をかけられるのは、なんとも言えない気分だった。
｢じゃ、俺らも馬車行くで｣
｢え、あ…………あのっ、他の、みんなは｣
これで私は完全に、ただの人質ではなく捕虜ということになった訳だが、どうなるのだろう。
馬車に行く、ということは国に連れて行かれるのだろうが、私以外の他の研究者は薬剤師はどうなったのだろうか。
気が付いたら私と彼しかいなかったものだから、彼らがどうなったのかは分からない。
少なからず焦りの表情だったのが隠しきれていなかったのか、私を安心させるように頭に手を置かれる。
｢大丈夫。もう俺らの国で保護しとるよ｣
｢…！殺してはないんですね？｣
｢おん。今んとこは殺す予定ないから安心しな｣
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宇琉夜ハル(プロフ) - 後 side ほしいです (2021年4月30日 19時) (
レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 後名前がわかったら zm｢あ｣ 見たいなん欲しいです (2021年4月30日 19時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 出来れば夢主のセリフ『』こうしてください 時間があればでいいんで (2021年4月30日 18時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 晴さん» それは良かったです！！ありがとうございます！めちゃくちゃ遅れましたが見てますよ！！！頑張ります！！！ (2021年2月21日 20時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 通りすがりの亀さん» 最初はその予定でしたが、主人公が後悔することのないようにヘイトを向けさせて上層部をクズに仕立てあげました(^^ ありがとうございます！頑張ります！！！ (2021年2月20日 21時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年1月31日 9時
